不完全酵母カンジダで発見された接合型遺伝子は形態形成にどう関わるか。
Project/Area Number |
17657023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphology/Structure
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
鈴木 孝仁 奈良女子大学, 理学部, 教授 (60144135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩口 伸一 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (40263420)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | Candida albicans / MTL遺伝子座 / 核相 / 菌糸形成 / 抗真菌剤耐性 / 染色体性 / 不完全菌 / 遺伝子破壊 / 不完全酵母 / 接合型遺伝子 / 核相変換 / 二形成 / 染色体喪失 |
Research Abstract |
Candida albicansは有性生殖世代を欠いているため不完全菌酵母に分類されており、通常二倍体の核相を有している。しかし、臨床分離株NUM51では、核相が二倍体の細胞と四倍体の細胞が混在し、細胞周期のG2遅滞を経て二倍体から四倍体に核相が増加する。四倍体の細胞では、S.cerevisiaeの減数第二分裂に相当する多極性の核内分裂を経て、二倍体に核相を減少させていることが連続超薄切片を用いた電子顕微鏡による紡錘体極の観察から明らかになった。C.albicansに関するゲノムプロジェクトが進展した結果、接合型遺伝子MTLが5番染色体上に座乗していることが報告された。NUM51株でも、この接合型遺伝子は異型接合(MTLa/MTLalpha)の状態で存在していることが判明した。そして、MTLaが座乗する5番染色体を喪失させたMTLalphaのみのヘミ接合体株や、MTLalphaを遺伝子破壊した株では、核相の変換がほとんど起こらず、合成培地での菌糸形成率も低下していた。さらに、接合型遺伝子の異型接合株では、核相が増加した細胞の出現と相まって抗真菌剤フルコナゾールに対する耐性が上昇することが明らかとなった。ところが、接合型遺伝子やそれらが座乗する染色体の一方を失った株では、核相が一定であることと相まってフルコナゾール耐性度に変化はみられなかった。これらの事実から、核相の変換にはMTL遺伝子座が異型接合の状態で存在することが必要であること、MTL遺伝子座が座乗する5番染色体には菌糸形成や抗真菌剤耐性に関わる遺伝子群も座乗し、この染色体性の変化(モノソミーとなったままか、あるいはその後に複製が起きて二染色体性になるか)や接合性の変化を通じて当該遺伝子量の変化がもたらされ、それらの結果として、形態形成の反応や抗真菌剤への耐性応答の違いという表現型が現れることが判明した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)