細胞周期の制御において分子シャペロンHsp90が果たす役割
Project/Area Number |
17657036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南 康文 東大, 理学(系)研究科(研究院) (40181953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 文夏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 科学技術振興特任研究員 (00359647)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | Hsp90 / DT40 / ノックアウト / BCR |
Research Abstract |
ニワトリB細胞DT40のHsp90β遺伝子ノックアウト株について解析を行ない、野生株に比べて生育速度が低いことが分かった。そこで、まず、熱ショック応答における障害の可能性を、DT40細胞の熱ショック応答において主要な役割を担うHSF3の活性化及びHsp70の誘導発現を指標に調べた。その結果、活性化に伴うリン酸化が原因で生じるHSF3の電気泳動における移動度減少及びHsp70のタンパク質合成がHsp90βノックアウト株(β-/-)においても野生株と同様に見られ、熱ショック応答能の低下は認められなかった。次に、B細胞の機能において重要な役割を演じるB細胞抗原受容体(BCR)の機能を解析した。その結果、受容体のクロスリンクによる刺激がβ-/-細胞では、野性株に比べて著しく低下しており、更に、細胞表面のIgMの発現量が劇的に減少していた。IgMのmRNAレベルは問題なく、タンパク質の発現量が少ないことが判明した。詳細な解析の結果、このタンパク質量の低下は、合成されたタンパク質の寿命(それ自身の代謝速度或いはプロテアソームによる分解など)が低下したことに起因するものではなく、寧ろ、タンパク質の合成そのものが何らかの原因で抑制されていることが判明した。その原因については、いくつかの可能性を調べたが、今のところ不明である。上記のようなβ-/-細胞の障害がHsps90β遺伝子ノックアウトによることを示すために、Hsp90β遺伝子の再導入を行なったところ、全ての障害が殆ど解消された。しかし、予想に反して、Hsp90α遺伝子を導入した場合にも障害の解消が認められ、おそらくは、これらの障害はHsp90β遺伝子の特異的な機能の欠失によるものではなく、寧ろ、Hsp90(α+β)の発現量の低下(半減)に起因すると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)