Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
本研究の対象生物であるオタマボヤは発生生物学的に様々な利点を備えており、実験動物化を目指して研究を行うことが本萌芽研究の目的である。以前の二年で、胚発生の基本的な記載が完了したのをうけて、本年度はオタマボヤを用いた遺伝子導入体、また、変異体作成への基本的技術を確立するために実験を行い以下の成果を得た。尾の筋肉で発現する遺伝子であるアクチンと脊索で発現するBrachyury遺伝子のプロモーターをゲノムからクローニングし、YFPタンパクに繋いで受精卵に注入したところそれぞれ筋肉と脊索で蛍光が観察された。このことはこれらのプロモーターが有効であることを示しているので、これらの遺伝子導入系統の確立を目指している。さらに遺伝子導入に関して効率化を図るために、トランスポゾンを用いる方法、そして、卵巣にDNAを注入することで多くの遺伝子導入体を一度に得る方法などを開発中である。また同時に変異体作成のスタートマテリアルとなる近郊系オタマボヤの確立も試みているところである。遺伝子導入体や突然変異体の維持には凍結保存が有効で有るが、その手段として精子の凍結保存法が可能であることがわかり、凍結融解条件の最適化を行った。この研究助成は本年が最終年度であるが、この研究によって得られた胚発生に関する詳細な情報や技術開発は、将来的に多くの人々に用いられる有益なデータになると考えている。
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Dev. Genes Evol. 218
Pages: 69-79
Dev. Growth Differ. (In press)
10024400363
http://www.bio.sci.osaka-u.ac.jp/bio_web/lab_page/nishida/naiyou.html