人工設計した短鎖RNAによる組織特異的な遺伝子発現抑制システムの構築
Project/Area Number |
17657074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井上 邦夫 神戸大学, 理学部, 助教授 (40252415)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 組織特異的 / 遺伝子発現抑制 / microRNA(miRNA) / nanos遺伝子 / 生殖細胞 / 母性mRNA / ポリA鎖 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、小型淡水魚ゼブラフィッシュ胚において、人工的にデザインした短鎖RNAにより、時期・組織特異的に標的遺伝子の発現抑制を行なう汎用性の高い実験システムを構築することである。その糸口として、ゼブラフィッシュにおける内在性microRNA(miRNA)について解析を行った。 ゼブラフィッシュnanos1遺伝子の母性mRNAは生殖質に局在化し、生殖細胞形成過程に働いている。非局在nanos1 mRNAは体細胞に取り込まれるが、初期胚中に豊富に存在するmiR-430によって認識され、ポリA鎖の短縮化を介して発現抑制制御が行われることを見出した。この制御は、体細胞における生殖細胞プログラムの誤作動を防ぐ機構として働くことが示唆された。一方、miR-430は生殖細胞にも存在するが、nanos1 mRNAの3'UTR中に生殖細胞特異的にmiRNAによる抑制を解除する活性が存在することを明らかにした。さらに、生殖質に局在化する新規mRNAとしてTDRD7を同定し、このmRNAがmiR-430によってnanos1と同様の制御を受けることを示した。以上の結果から、ゼブラフィッシュにおいてmiRNAによる制御システムが生殖細胞・体細胞の分化確立機構に重要な役割を果たすことが明らかとなった。 これら内在性miRNAに関する知見を踏まえつつ、人工デザインしたmiRNA発現系を構築中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)