Project/Area Number |
17657078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Evolutionary biology
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
福原 敏行 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (90228924)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 2本鎖RNA / レプリコン / プラスミド / Totivirus Chrysovirus / RNA依存RNA合成酵素 / ヤマヨツボシオオアリ / Alternalia alternata / 2本鎖 / Endornavirus / 紫紋羽病菌 |
Research Abstract |
私たちは、1990年代から、宿主植物に対して病徴を示さず、宿主細胞に一定量存在し、垂直(種子)伝播するといったプラスミド様の性質をもち自己複製する2本鎖RNAレプリコンが種々の植物から検出されることを報告してきた。さらに、菌類、原生生物、昆虫からも同様な性質を示す2本鎖RNAが検出される。本研究では、植物だけでなく菌類、昆虫から検出される2本鎖RNAについて、塩基配列を中心とした分子構造を明らかにし、プラスミド様2本鎖RNAレプリコンの普遍性について明らかにした。 植物病原菌Alternalia alternate EGS35-193株からは、3.6-1.5kbpの4成分の2本鎖RNAが検出される。L鎖(3.6kbp)を鋳型としてcDNAクローニングをおこない全長の塩基配列を決定したところ、L鎖はTotivirusとChrysovirusのRNA依存RNA合成酵素(複製酵素)に相同性を示すタンパク質をコードするが、その相同性は低く、新規な2本鎖RNAウイルスに分類されうる可能性が示された。 昆虫ヤマヨツボシオオアリ(Camponotus yamaokai)からは、約6.3kbpの2本鎖RNAが検出される。この2本鎖RNAを鋳型にcDNAクローニングをおこない、約5kbpの塩基配列を決定・解析したところ、この2本鎖RNAは、TotivirusのRNA依存RNA合成酵素に相同性を示すタンパク質をコードすることが分かった。この結果は、昆虫に存在するプラスミド様2本鎖レプリコンから得られた初めての塩基配列情報である。また、Totivirusは、植物、原生生物、菌類から検出されていることから、動物(昆虫)も含めて、真核生物全般に分布するプラスミド様の性質を示す2本鎖RNAレプリコン(ウイルス)であることが示された。
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