Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
海外からの食料や食品加工原料,飼料等に由来した窒素・リン等による地下水汚染や富栄養化問題に対処する方策として,輸入食料・原材料中に含まれる汚染物質の処理費用に応じて,課徴金,特に窒素税を輸入時点で課し,その税収で我が国の下水道の整備や循環型農業の推進を図ることが考えられる。 そこで,本研究では,窒素処理費用を求めるため,福岡県築上町の事例に注目し,通常の脱窒素処理に比較して,し尿等を液肥化し農地還元した場合,窒素処理費用はいくら節減できるかを調査した。その結果,節減額は2,352円/kg-Nであるとい調査結果を得た。次に,121万tの輸入食料由来の窒素に対し,仮にこの金額を窒素税として課税すれば2.8兆円の税収となる。しかし,産業連関分析により,この金額の窒素税は輸入品価格を40%押し上げることが明らかになった。 この40%の価格上昇は消費者にかなりの負担となるから,仮に,窒素処理費用の5%である117.6円/kg-Nが窒素税として課される場合を検討した。その場合には,税収は1,425億円,輸入品価格上昇率は2%に収められる。そこで,この税収を水田のもつ多面的機能発現のために利用できれば,170万haの水稲作付面積に対し10アール当り8,384円になる。それゆえ,窒素税は輸入食料由来の有機性廃棄物を水田に還元し窒素循環を進めるという政策に対し,有効な政策推進手法となることが期待できること言えよう。 さらに,一般国民は,窒息循環における多面的機能の発現を含め環境保全的農法についてどれだけの支払意志をもつのであろうか。この点については,阿蘇草原のエコシステムや環境保全型農業に対する環境価値の経済価値について,CVM(Contingent Valuation Method)およびCM(Choice Modeling)を用いて評価し,あわせて,CVMとCMの手法的改善も行なった。
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