Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
水利施設における魚類の行動に関する基礎理論を構築するため,滋賀県長浜市に設定した試験サイトにおいて調査を行い,Fokker-Planck偏微分方程式とその付帯条件によって記述される数理モデルの導出ならびにその数値モデル化を行った.試験サイトは,琵琶湖に注ぐ一級河川丁野木川を含む低平地水田からの農業排水路系であり,コイ,ナマズのような魚類が産卵のために水田へ遡上することを可能にするため「水田魚道」が数箇所に設置されている.5月から7月の産卵期の降雨時において,数次にわたり暗視ビデオカメラなどの観測機器を用いた調査を行い,魚類行動に関するデータを取得した.また,農業排水路系の緒元について,詳細な現地測量に基づくデータベース化,ならびに,衛星画像による確認を行った.丁野木川河口からの農業排水路系全体において時空間的に分布する魚類の「遡上確率」を数学的に定義し,その支配式であるFokker-Planck偏微分方程式および水理構造物において課せられる内部境界条件を解析的に導いた.それらのパラメータを,実測データに基づいて決定した.有限要素法に基づいて,Fokker-Planck偏微分方程式系の数値モデルを開発し,有限体積法を用いて農業排水路系の流れ場を計算する1次元地表流モデルと併せ,「遡上確率」に関する数値解析を行った.なお,入力としては,現地に設置した高解像度雨量計による実測時系列データを用いた.以上の内容を,国際シンポジウムにおいて発表し,また,学術誌に投稿した.
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