Project/Area Number |
17658129
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中山 裕之 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (40155891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 文夫 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (60234184)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | イヌ / ネコ / 脳 / 老人斑 / プリライシン / βアミロイド / in silico / コンピューター / シミュレーション / 形態病理学 / 動物 |
Research Abstract |
ネコの瀰漫型老人斑は他の動物種の老人斑と比べて疎な形態を示す。初年度には、コンピューター内にネコ老人斑に相当する低フラクラル次元(FD)in silico老人斑を作製し、この老人斑の「隙間を埋めない成長性」という性質から、ネコ老人斑におけるβアミロイドが沈着する一方で分解されていく過程を推測した。この理由としてネコにおけるβアミロイド分解酵素(Neprilysin(Nep))活性の特殊性を考えた。今年度はこの成果を論文にまとめ投稿した。 さらに上記の仮説を実証するため、イヌとネコの脳についてNepの発現と活性、β-Amyloid(Aβ)沈着を検索した。その結果、イヌ・ネコともに、Nepは大脳皮質では弱い発現が、線条体・黒質では強い発現が認められた。Nep活性値はイヌでは『線条体>大脳皮質>大脳白質・海馬』、ネコでは『線条体>大脳皮質>海馬>大脳白質』の順で高かった。イヌの線条体で加齢によるNep活性の減少傾向がみられたが、他の部位では発現・活性ともに年齢による差はなかった。Aβは、イヌでは7歳、ネコでは10歳から沈着が認められ、加齢にともない沈着の程度、頻度ともに増加した。沈着部位は、いずれも大脳皮質、海馬であった。両動物種間でAβの沈着形態に明確な差は認められなかった。 残念ながら、イヌとネコで年齢によるNepの発現・活性の変化は同様であり、ネコの特殊性を示すことはできなかった。イヌ、ネコともに大脳皮質、海馬のNep活性・発現は低いため、Aβが十分に分解されず沈着した可能性がある。今回の研究によりイヌとネコでNepの発現分布・活性およびAβの沈着分布は非常に良く似ていることが分かった。これらの傾向は過去のヒト・マウス・ブタでの報告とも類似しており、脳におけるAβの生成分解過程は多くの哺乳類で保存されている可能性があると思われた。
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