Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
本課題に関連した成績は以下のとおりである。アレルギー性疾患には肥満細胞とIgEを中心とした即時型反応とヘルパーT(Th)細胞と好酸球を中心とした遅発型反応がある。アレルギーの発症には遺伝的素因の他に環境因子の役割が大きく関与している。さらに環境因子の中で、食生活や感染性因子の役割と発症との関連が注目されている。一方、アレルギー性疾患では、感作個体がアレルゲンに暴露された場合、暴露部以外の組織に病態が発現する事が知られているが、そのメカニズムの多くが未解明である。さらに、アレルギー性鼻炎のそれは全く不明である。そこでそれらの点を明らかにした。マウスに卵白アルブミン(OVA)で、遅発性アレルギー性鼻炎のモデルを作製する。この実験系に[1]感作前に自然食品であるクロズもろみ末を投与する。[2]OVAの(1)感作、(2)チャレンジ時に、乳酸脱水素ウイルス(LDV;宿主はマウスのみに持続感染し、標的細胞はマクロファージの亜群で、臨床・病理学的変化を起こさない)を感染させる。[3]Th1反応を誘導するCpG ODNを感作時に処置する。[4]遅延型アレルギー性鼻炎における皮膚病変の発現メカニズムを分子免疫病理学的に解析する。[1]〜[3]の処置により、鼻炎は抑制され、[1]と[3]では、Th1反応の誘導による事が明らかとなった。[2]では、(1)感作時のLDV感染は、本ウイルスが抗原提示細胞機能を低下させ、Th1とTh2反応ともに低下しそれが、病態を軽減する事、チャレンジ時のLDV感染は、既に成立したTh2型の反応をTh1型反応を惹起させる事により、Th2反応を抑制した結果病態が軽減する事が明らかとなった。[4]鼻炎は遅発型であるが、OVA非暴露部の皮膚病変は、接着分子を中心とした即時型反応による事が明らかとなった。以上の成績から、[I]環境因子(細菌・ウイルス・自然食品)がアレルギー性鼻炎の病態を修飾する事、[II]感作個体における、アレルゲン暴露部と非暴露部における病変形成のメカニズムは異なる事が、示唆された。
All 2008 2007 2006
All Journal Article (5 results) (of which Peer Reviewed: 4 results)
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