Project/Area Number |
17659018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
小佐野 博史 帝京大学, 薬学部, 教授 (40246020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西郡 秀夫 帝京大学, 薬学部, 教授 (90050517)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 硝子体 / 増殖糖尿病網膜症 / 細胞接着 / 血管新生 / 鶏胚 / 増殖膜 / 接着抑制因子スクリーニング / ヘパリン |
Research Abstract |
【目的】増殖糖尿病網膜症(PDR)では、硝子体上に新生血管が伸展するために増殖膜と呼ばれる繊維性の組織が形成されるが、昨年度の検討では、生理的条件下での硝子体への細胞の接着、増殖は硝子体前部に限局していることを明らかにした。しかし、糖尿病網膜症の新生血管は、網膜から後部硝子体へと伸展するため、後部硝子体への血管新生には硝子体の生理的性質の変化が影響すると考えられる。本年度の研究では、この硝子体後部の細胞接着性の変化の原因として、糖尿病による血管透過性亢進による血液成分の漏出を仮定し、鶏胚硝子体を血漿と一定時間作用させた時の変化を解析した。 【方法】血漿と一定時間反応させた18日齢鶏胚硝子体に、ウシ血管内皮細胞株ECV304を加え、37℃で3時間、穏やかに回転培養を行い、硝子体表面に細胞を付着させた。細胞の付着した硝子体を取り出し、硝子体に付着していない細胞を洗い流した後、一定時間培養した。培養後、硝子体の重量を測定し、^3H-チミジンの取り込みによる細胞増殖能および可溶性ホルマザンを用いた吸光度法により細胞数の算定を試みた。また、顕微鏡下で細胞の接着状態を観察した。更に、血漿成分と反応させた硝子体を低分子へパリンと作用させた後、同様に細胞を付着させ、培養した。 【結果】血漿処理した硝子体に細胞を付着させた後、顕微鏡的観察および培養した硝子体を前部と後部に二分し、吸光旋法で細胞数を測定したところ、硝子体前部だけでなく、未処理の硝子体では観察されなかった硝子体後部へも多量の細胞が付着していた。ウエスタンブロッティングにより、血漿処理硝子体にはフィブロネクチンが検出された。また、低分子へパリンを作用させたところ、硝子体への細胞接着はほぼ完全に抑制された。 【考察】後部硝子体上への血管内皮細胞の接着、伸展は、血漿成分に含まれる接着因子であるフィブロネクチンを介して硝子体後部表面の接着性が増加することが原因で起こることが明らかとなった。また、この接着性の増加は、低分子へパリンを作用させることにより抑制されることから、本実験系は、硝子体への細胞接着抑制物質のスクリーニングに応用できると考えられる。
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