トランスポーター発現プロファイルに基づく細胞分化・増殖制御手法
Project/Area Number |
17659049
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
玉井 郁巳 東京理科大学, 薬学部, 教授 (20155237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 智司 東京理科大学, 薬学部, 助手 (60303294)
相沢 信 日本大学, 医学部, 教授 (30202443)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | トランスポーター / 血球 / 分化 / 増殖 / OCTN / アミノ酸 / アルギニン / CAT1 |
Research Abstract |
細胞の分化や増殖を決定・進行する上においては様々な因子が関与する。サイトカインのような高分子物質が細胞に作用し、その結果細胞活動が変化する。しかし、実際に細胞が分化・増殖するためには、そのようなシグナルに反応し、栄養性分子等を細胞内に取り込むような細胞活動を行う必要がある。そのような細胞内への物質摂取を調節するのがトランスポータータンパク質であり、その発現は細胞の分化・増殖と密接に関わっているはずである。本研究では、この様なトランスポーター分子の発現プロファイルから疾患原因やその治療法の提唱目的とした。OCTN1(SLC22A4)は有機カチオントランスポーターとして申請者らが見いだしたトランスポーター分子であるが、本分子は関節リウマチ患者やクローン病など自己免疫疾患に分類される疾患を有する患者において遺伝子上に変異が見られることが見いだされ、この様な難知性疾患との関係が示唆されている。本研究では、このようなOCTN1の疾患との関係や生理的役割解析を目的に、その発現調節機構や発現量変動による細胞増殖・分化への影響について検討を行った。その結果、OCTN1は炎症性サイトカインや血液細胞に発現する転写因子であるRUNX1等によって発現調節を受けていることが見いだされた。また、OCTN1の発現が発現する赤血球由来K562細胞において、siRNA手法によりOCTN1の発現をノックダウンすることによって、細胞の分化・増殖が低下した。同時に最近OCTN1の生理的基質として示された抗酸化物質エルゴチオネインの細胞内取り込み活性も顕著に低下した。以上の結果より、OCTN1は炎症時における発現変動が考えられ、またその結果としてエルゴチオネインあるいはその他の低分子化合物の細胞内外物質交換に変動が生じるために、細胞の増殖や分化に異常が生じることが示された。現在、その原因となるOCTN1生理的基質が明確でなく、その同定により難知性疾患の新しい治療法の開発が可能になると期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)