細胞内に存在する膜受容体は創薬のターゲットになりえるか?
Project/Area Number |
17659072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
村松 郁延 福井大学, 医学部, 教授 (10111965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 繁 福井大学, 医学部, 講師 (50290911)
鈴木 史子 福井大学, 医学部, 助手 (80291376)
ANISUZZAMAN A・S 福井大学, 医学部, COE研究員 (30397244)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | ムスカリン受容体 / 細胞内受容体 / 組織片結合実験法 / 学習 / 細胞成長 / 海馬・大脳皮質 / 大脳皮質 / N1E 115細胞 / 共焦点レーザー顕微鏡 / Ca^<2+> |
Research Abstract |
ムスカリン受容体は、細胞外の情報を細胞内に伝達する膜受容体と一般に考えられています。しかし、私たちは本研究において、一部のムスカリン受容体は、組織特異的・サブタイプ特異的に細胞内にも分布し、生理機能に関与していることを明らかにしました。 1.ムスカリン受容体には5つのサブタイプがあります。ラットやヒトの胃や膀胱では、主にM1、M2、M3サブタイプが分布し、それらは細胞膜にのみ存在します。しかし、大脳皮質や海馬では、M1サブタイプが細胞膜だけでなく細胞内にも存在することを発見しました。この細胞内M1サブタイプは、親水性の^3H-NMSを用いた組織片結合実験法では検出されず、疎水性で細胞膜を通過できる^3H-QNBによって同定されました。細胞内M1サブタイプは、NMSやacetylchohneなどに低親和性で、高親和性の細胞膜M1サブタイプと異なった薬理学的特性を示しました。細胞内M1サブタイプの分布は、蛍光色素でラベルすると共焦点レーザー顕微鏡で見ることができました。また、細胞のホモジネートを遠心して分布を調べたところ、M1サブタイプは細胞膜画分だけでなくミクロソーム画分にも検出されました。 2.細胞内M1サブタイプが、生理的に機能できる受容体か検討しました。細胞膜のM1サブタイプはcarbachol刺激でPLC-IP3系を活性化しましたが、細胞内M1サブタイプの選択的刺激はPLC-IP3系には無影響でした。しかし、細胞内M1サブタイプは、培養細胞の成長促進に関与し、これにはJNK系が関与していました。 3.細胞内M1サブタイプは抹消組織には存在せず、海馬と大脳皮質といった中枢に特異的に存在していました。そこで、細胞内M1サブタイプを変動させる条件を検討して脳機能との関連を調べました。その結果、拘束ストレスが細胞内M1サブタイプを特異的に減少することを見つけ、この変動と一致して、ラットの学習能力が著しく損なわれることを発見しました。これは、ムスカリン受容体拮抗薬やM1ノックアウトが学習能力を低下させるという従来の報告と一致するもので、学習能力における細胞内M1サブタイプの重要性を示唆します。 以上の結果から、従来細胞膜にのみ局在すると考えられていたムスカリン受容体が中枢では細胞内にも存在し、生理的に機能していることが明らかとなりました。本研究は、細胞内受容体が新しい創薬のターゲットとなる可能性を強く示唆する発見と思われました。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)