オーファンGPCRリガンドapelin-新規血管新生因子
Project/Area Number |
17659074
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬場 明道 大阪大学, 薬学研究科, 副学長(教授) (70107100)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 紀人 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (10335367)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | Apelin / 血管新生 / bFGF / VEGF / 網膜 / 遺伝子欠損マウス / PHPV / 病態モデル / RF / 6A / HIF-1α / 眼奇形 / KKAy / 糖代謝能 |
Research Abstract |
本研究は、生理活性ペプチドapelinの血管新生作用の詳細を解析することでVEGF、 angiopoietinなどの既知の血管新生因子との差別化を行い、さらにそのシグナルのクロストークを明らかにすることで新規血管新生因子としてのapelinの確立をはかることを目的として実施し、初年度に引き続いて以下の結果を得た。 1.角膜ポケット解析系を用いてapelinのin vivo血管新生作用を解析したところ、apelinが特にbFGFによる血管新生促進作用を顕著に増強することを見出した。 2.Apelinおよびその受容体の網膜における発現を解析したところ、生後早期特異的に顕著な発現増加を示すことを見出した。 3.Apelin遺伝子欠損マウス(apelin-KO)では生後5-7日における網膜血管網構築が著明に減弱していること、一方で成体ではほぼ正常な血管網構築が認められることを見出した。 4.生後早期のapelin-KO網膜において、血管新生関連因子の発現低下や、血管網進展の足場形成に関わるアストロサイトの発現分布等には異常がないことを明らかにした。 5.Apelin-KOで高頻度に認められる白濁眼の詳細を解析したところ、全例において硝子体動脈の遺残が認められることを見出した。またこの表現型や発症率が、ヒト一次硝子体過形成遺残(PHPV)と類似することを明らかにした。 以上の結果から、in vivoにおいてapelinは、生後早期の網膜血管網構築に特異的に関与し、その欠損は網膜血管網形成の遅延につながること、またapelin欠損が特定のヒト眼疾患の発病に関与する可能性が示された。また網膜および初年度見出したin vitroにおけるapelinの血管新生様作用は、一部bFGFやVEGFなど他の血管新生因子との協調作用により発現することが示された。本研究により、apelinは内因性血管新生因子の促進的修飾因子として機能することが明らかとなった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)