後期糖化反応生成物特異的受容体を介した血液脳関門病態の解明
Project/Area Number |
17659160
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied pharmacology
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
首藤 英樹 (2006) 福岡大学, 薬学部, 助教授 (60412574)
道具 伸也 (2005) 福岡大学, 高機能物質研究所, 研究員 (60399186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 泰文 福岡大学, 薬学部, 教授 (70136513)
高田 芙友子 福岡大学, 薬学部, 助手 (70412575)
首藤 英樹 福岡大学, 薬学部, 助手 (60412574)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 後期糖化反応生成物 / 糖尿病 / 血液脳関門 / 脳血管内皮細胞 / 脳ペリサイト / 炎症 / 神経変性疾患 / 中枢毒性 / AGE / RAGE / blood brain barrier / pericyte / TGF-β / P-glycoprotein / Aβ |
Research Abstract |
血液脳関門(BBB)は脳血管内皮細胞を実体とし、その強固な密着結合および薬物輸送担体により、薬物脳移行性を制御する脳特異的機構である。このBBB機能は脳血管周囲に存在する脳ペリサイトおよびアストロサイトにより協調的に制御される。これはBBB機能が脳実質側の環境によっても調節されていることを示唆し、中枢神経疾患時における薬物の脳移行を考える際に重要な因子となる。病態時におけるBBB機能変化を明らかにすることは、病態依存的な薬物脳移行に基づく副作用発現の回避およびそれを指向した創薬研究において必要不可欠である。しかし、BBB病態を外挿しうる有用な実験系は確立されていない。そこで、病態特異的な機能変異分子によるBBB機能調節異常の実験系を樹立し、その分子機構を解明すべく本研究を計画した。昨年度は、脳ペリサイトがTGF-βを介してBBB機能維持に寄与していること、後期糖化反応生成物(AGE)がその特異的受容体(RAGE)を介してBBB機能を低下させることを明らかとした。本年度は、炎症病態のBBB機能に及ぼす影響について特に脳ペリサイトに焦点を当て調べた。研究成果は以下のとおりである。 Lipopolysaccharide(LPS)誘発炎症モデルマウスにおける脳血管内皮細胞およびペリサイトの形態変化を免疫組織学的に観察した。炎症モデルマウスの脳では、血管内皮細胞・基底膜層からペリサイト構造の一部が離脱あるいは基底膜層内におけるペリサイト構造の配列異常が観察された。LPS投与後24時間ではさらに基底膜の破綻も観察された。 以上、炎症病態下ではBBB構成細胞である脳ペリサイトの形態異常が惹起され、薬物の中枢移行性が上昇する可能性が示唆された。メタボリックシンドロームでは慢性炎症が誘発される。炎症病態におけるRAGE変動が明らかになれば、生活習慣病のBBB病態解明に迫ることができるだろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)