Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
1)これまでにアクチビンAがブレオマイシンなどにより誘発された肺障害の急性期において肺胞上皮細胞、マクロファージなどで発現が増加し、アクチビン受容体も発現することを示した。また急性炎症の収まる時期においては筋線維芽細胞においてアクチビン発現が著明に亢進することをも明らかにしてきた。このアクチビン作用は炎症促進作用、線維化促進作用を持つことが考えられる。そこでこのアクチビンの作用を拮抗作用をもつフォリスタチンを投与することによりブロックすると、急性炎症が抑制されるとともに、線維化が抑制されることを明らかにしてきた。また急性炎症期をすぎた後に投与しても線維化が抑制されることから、単に炎症を抑えるだけでなく、直接的な抗線維化作用を持つことを示してきた。さらにフォリスタチンの効果をより持続させる目的で、アデノウイルスベクターを用いた遺伝子導入を行ったところ、より強い抗線維化作用を示した。2)血管新生促進因子として知られている線維芽細胞増殖因子(FGF2)の作用におけるアクチビンの意義について検討を行った。その結果、コラーゲンゲル内の3次元培養系において、血管内皮細胞の管腔形成を促進する作用をもつFGF2の作用が内皮細胞の産生するアクチビンを介して発現されていることを明らかにした。アクチビン作用をブロックすることにより、FGF2の作用が抑制され、逆にアクチビンを添加することによりFGF2作用が増幅されることから、血管新生を促進あるいは抑制することが有効である様々な病態の治療に応用可能であると考えられる。
All 2006 2005
All Journal Article (3 results)
Biochim.Biochem.Acta 1759
Pages: 44-50
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