脂質合成転写因子の細胞増殖、細胞周期にもたらす影響に関する検討
Project/Area Number |
17659271
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島野 仁 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (20251241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昭光 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70344893)
中川 嘉 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 研究員 (80361351)
松坂 賢 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助手 (70400679)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 転写因子 / 脂質 / 細胞周期 / SREBP / p21 / p27 / コレステロール / 脂肪酸 |
Research Abstract |
本研究では脂質合成制御転写因子SREBP-1aがもたらす細胞増殖、周期への影響を細胞ならびに生体両面から検討し、脂質合成制御システムが能動的に細胞増殖制御を行うこと並びにその分子機序を明らかにすることを目的とする。特にSREBP-1aに注目し、増殖の盛んな細胞に発現し、脂質が不足すると活性化し、脂質合成を誘導することを示してきた。 今回の結果では意外なことにSREBP-1aは細胞増殖に抑制的に働くことが示された。誘導性に核型(活性型)SREBP-1aを発現するCHO細胞ラインCHO-SREBP-1aは、SREBP-1aの誘導ともに細胞の増殖が停止した。これはSREBP-2の同様の実験では認められなかった。CHO-SREBP-1aの細胞周期を検討するとG1期が増加しS期が低下していていた。G1アレストの原因として、p21、p27などのCDK阻害物質の活性化していた。特にp21の活性化は、発現の増加によるものであった。プロモーター解析の結果、p21のプロモーターはSREBPの直接結合部位SREを有し、直接の活性化することが明らかとなった。In vivoにおいてもSREBP-1aのトランスジェニックマウスは部分肝臓切除において肝臓の再生が阻害されていた。SREBP-1aの活性化は、膜合成のための脂質の欠乏に伴うものであり、それが強力に働いている場合は、細胞の増殖を一時的に休止させて、脂質合成、供給を行うと推測された。脂質転写因子における増殖抑制効果の解明は、脂質と細胞周期との関連に新しいパラダイムを与え、動脈硬化症やさらにはガンにおける新しい概念創成と治療法開発の端緒となると期待する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)