新たな自己免疫筋炎モデルによる多発筋炎・皮膚筋炎の新治療法の開発の試み
Project/Area Number |
17659299
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
膠原病・アレルギー・感染症内科学
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
上阪 等 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00251554)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 信之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30157622)
|
Project Period (FY) |
2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
|
Keywords | 多発性筋炎 / 動物モデル / マウス |
Research Abstract |
多発性筋炎(PM)は原因不明の炎症性筋疾患で、非特異的な免疫抑制療法が行われてきたが、副作用の問題や治療抵抗性の症例も認められる。過去のヒトPMについての病態解析では、CD8 T細胞がPMの病態に重要な役割を果たしていることが報告されてきた。しかし、今まで有用な筋炎モデルマウスが存在しなかった為、PMの詳細な病態の解析や治療法の開発は遅れてきた。 我々は組換えヒト骨格筋C蛋白を1回免疫してC57BL/6(B6)マウスに筋炎を誘導できる新規PMモデルマウスを確立した。C蛋白誘導筋炎(CIM)の筋炎像は骨格筋に認められ、臨床的に筋力低下を示した。CD8とパーフォリン陽性細胞が筋炎部位に浸潤しており、CD8T細胞を抗体で除去したマウスではCIMの発症が抑制された。従って、ヒトPM同様、CD8T細胞が筋炎発症に重要であることが示された。さらに、遺伝子改変B6マウスで病態解析を行った。血清中に抗C蛋白抗体を認めたが、B細胞欠損マウスで筋炎の発症が抑制されなかったことから、B細胞や抗体はCIM発症に必須ではないことが示された。また、ヒトPM筋肉中で発現が報告されているIL-1とTNF-αはCIM筋肉中にも発現しており、IL-1α/β欠損マウスで筋炎の発症が抑制されたがTNF-α欠損マウスでは抑制されなかったことから、TNF-αではなくIL-1が筋炎発症に必須であることが示された。最後に、ヒトPMで治療効果を示すγグロブリン大量療法のCIMへの治療効果を検討したところ、筋炎が軽減された。IVIGの治療効果のメカニズムは十分に解明されていないが、CIMではB細胞、抗体の関与無く発症するがIVIGが治療効果を示すことから、治療効果のメカニズムにB細胞や抗体は必須ではないと考えられた。 以上より、新規PMモデルマウスが、筋炎の病態解析と新規治療法の開発に有用なモデルであることが示された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)