X連鎖重症複合免疫不全症に対するキメラ二重鎖切断酵素を利用した遺伝子治療法の開発
Project/Area Number |
17659309
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久間木 悟 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (20311566)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 滋 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30124605)
笹原 洋二 東北大学, 病院・助手 (60372314)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
|
Keywords | 遺伝子治療 / 重症複合免疫不全症 / X-SCID / γc鎖 / 二重鎖切断酵素 / HSVtk / キメラ二重鎖切断酵素 |
Research Abstract |
X-SCIDは先天的にT細胞、NK細胞が欠損し、B細胞は抗体を産生できないため、重症な感染症を発症し、乳児期に死亡する致死的疾患である。一般的な治療法は骨髄移植であるが、HLA一致同胞ドナーが存在しない場合の予後は不良である。このためフランスで遺伝子治療が開始された。その結果、遺伝子治療の有効性が示された一方で、レトロウイルスベクターの挿入変異による白血病が報告された。このため、安全性を高めた遺伝子治療の開発が急務となった。そこで我々は生体内に元来備わっている遺伝子相同組み換えによる遺伝子治療法の開発を計画した。一般的に相同組換え効率はきわめて低いが、DNA二重鎖切断部位で組換え効率が上がることが示された。目的とする遺伝子をZnフィンガーで認識させ、そのZnフィンガーと結合させた非特異的二重鎖切断酵素で切断し、組み換えを促進する方法を考えた。コンピュータ解析でγc鎖エクソン5に見出したZnフィンガー結合可能領域をターゲットとしたZnフィンガー開発を試みたが、うまくいかなかった。そこで、昨年度、同様の実験手法で成果をあげたと報告のあった、米国加州Sangamo社のMichael Holmes博士と連絡を取ったが、特許の関係もあり、共同実験は実現しなかった。このため、安全性を高めた遺伝子治療法開発の実験手法を変更し、我々がこれまで研究を進めてきた発がんした場合でもがん細胞を特異的に排除できる自殺遺伝子HSVtkを用いた治療法を応用することとした。具体的にはγc鎖とHSVtkの融合蛋白を発現するベクターを開発した。このベクターの特徴は二つの遺伝子が常に同時に発現でき、これまでのように一方の遺伝子発現のみが不活化される危険性を排除したものであり、理想的な治療法となることが期待できる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)