超未熟児に伴う脳障害の病態研究-神経幹細胞障害モデルと幹細胞移植治療への展望
Project/Area Number |
17659324
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
井上 健 国立精神・神経センター, 神経研究所疾病研究第二部, 室長 (30392418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高嶋 幸男 国際医療福祉大学, 大学院, 教授 (70038743)
出口 貴美子 国立精神・神経センター, 研究生 (50227542)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 脳室周囲白質軟化症 / 超早産児 / 神経前駆細胞 / 虚血性脳傷害 / 脳性麻痺 / 高次脳機能障害 |
Research Abstract |
脳室周囲白質軟化症(PVL)は予防法や治療法が確立されておらず、新生児医療の大きな課題となっている。PVLは、深部白質病変以外に灰白質の発達障害を伴う知的及び行動障害を引き起こすが、その病態は未だ不明である。我々は、(1)未熟児の出生時に伴う脳低酸素虚血性傷害が活発な神経細胞の発生・分化の時期に一致する事、(2)PVL合併例では非合併例に比べ画像上灰白質の発達が遅れる事、(3)PVL症例に小頭症を伴う事、そして(4)画像上、脳室壁の不整がみられる事より、PVLにおいて深部白質とは別に脳室周囲の神経幹細胞の損傷を伴うのではないか、と仮説を立てた。そしてこれがその後の神経幹細胞から神経細胞やグリア細胞への分化・移動・成熟に障害を来たし、その結果、大脳灰白質の発達障害しいては患児の知的及び行動障害の原因の一つとなっているのではないかと考えた。当研究では、ヒト超未熟児PVL患児の剖検脳標本および羊を用いて作成したPVLモデル動物を用いて、この仮説の妥当性を神経病理学的に検証する事を目的とする。 PVLにおいて神経発生が障害されているかどうかを検証するため、剖検によって得られたヒトPVL症例及び正常対照例の脳標本を用い、脳室周囲および脳室下領域の神経幹細胞を特異的蛋白に対する抗体を用いて、免疫組織科学的に検討した。本年度は、特に在胎28週未満の超未熟児PVL症例に焦点を当て、41例の剖検例の解析を行った。その結果、脳室周囲や脳室下領域の神経前駆細胞の傷害がPVL症例全例に認められた。また、神経前駆細胞の傷害を生ずるメカニズムとして、TUNEL法やCaspase3などのを用いた解析より、アポトーシスの関与を明らかにした。さらに共同研究者らが以前作製した羊胎児脳虚血モデルの脳標本を用いて同様に神経病理学的解析を行い、ヒトで認められた所見と同様の変化を見出した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)