乳児非言語的母子間コミュニケーションの客観的測定法の開発およびその臨床応用
Project/Area Number |
17659355
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
篠原 一之 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30226154)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 寛樹 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (50260766)
荒木 美幸 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (10304974)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 脳・神経 / 脳神経疾患 / 自閉症 / 生理学 / 神経科学 / 情報工学 |
Research Abstract |
本年度は、前年度の研究成果を踏まえて、乳児非言語的コミュニケーション客観的測定法を自閉症早期スクリーニングに応用するための基礎データを収集した。 具体的には、4歳〜7歳の計7名の自閉症児を対象として、以下の2つの実験を実施した。第一に、前年度までの研究により確立した情動喚起法を利用して、自閉症児に"怒り"と"喜び"を誘発し、惹起された表情をデジタルビデオカメラで記録した。さらに、記録したDV-AVI形式の動画から情動喚起によって最も変化が生じている時点の静止画像を切り出した。第二に、被験児およびその保護者を対象として、小児自閉症尺度(CARS)と園城寺式発達検査を実施し、被験児の障害の程度と精神年齢を評価した。 分析では、自閉症児の顔正面画像上の鼻根、鼻下、目尻、目頭、上瞼最上側、下瞼最下側、頬、口角の座標を計測し、目や口の幅などの部位間の距離を算出した。これらの距離は、カメラと被験者間の距離の変動を考慮し、鼻根と鼻下間の距離およびそのデータベースにおける平均値を用いた補正値を算出することで遠近の補正を行った。このようにして得られた距離データを、精神年齢を統制した健常児のデータと比較し、自閉症児における表情表出の特徴を定量的距離データに基づいて検討した。 "怒り"および"喜び"の誘発を企図した各シチュエーションにおける自閉症児の表情は、定型的なものから、非定型的なものまで多岐にわたっており、単一の特徴量に基づいて自閉症児の表情表出を特徴付けることは困難であると考えられた。今後は、複数の計測値を組み合わせて新たな指標を構成する、あるいは画像認識アルゴリズムを用いた情報工学的アプローチを採用するなど、更なる分析を行う必要がある。 なお、本研究は、長崎大学医学部倫理委員会の承認を受け、研究の目的と方法の十分な説明を行い、書面による母親からの同意を得て行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)