Project/Area Number |
17659430
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thoracic surgery
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池田 義 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40281092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 塩基性線維芽細胞増殖因子 / 肺高血圧症 / DDS |
Research Abstract |
まず、酸性ゼラチンを用いてナノメートルオーダーの生体吸収性マイクロスフェア作製を試みた。粒子を小さくすると、恐らくは表面積が増加するために、凝集して二次粒子を形成し、最終的に得られた最小のマイクロスフェアは約10μm径であった。このマイクロスフェアに塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を浸透させることにより、約2週間の徐放効果が得られることが明らかになった。 次にモノクロタリン(MCT)腹腔内投与によるラット肺高血圧症モデルを用い、bFGFマイクロスフェア気道内投与の肺高血圧予防効果を検討した。MCT投与と同時にbFGFを気道内徐放投与し3週間後に心臓カテーテル検査を行った。bFGF同時投与群では右室/左室収縮期圧比は0.36±0.05(mean±SD、以下同様)であり、対照群(MCTと同時に生食投与)の0.60±0.12と比較して有意に肺高血圧の進行が押さえられた。同時期の肺組織学的検討では、bFGF投与群で肺動脈中膜厚が19.2±3.1%と対照群の23.4±3.3%と比べて改善傾向が認められた。また肺組織内の小動脈数、毛細血管数はbFGF対照群でそれぞれ18.9±7.0/mm^2、165.0±43.6/mm^2で、対照群の4.6±2.8/mm^2、50.6±12.9/mm^2と比較して有意に増加しており、肺高血圧の軽減はbFGFの血管新生効果によるものであることが示された。肺高血圧の軽減に伴い、最長10週間の観察でMCTのみ投与群の生存率が17%であったのに対し、bFGF同時投与群の生存率は83%と著明な改善が認められた。 現在、MCT投与後2週間の時点でbFGFマイクロスフェアを投与する治療モデルでの肺高血圧抑制効果を検討中であり、併せて発表準備中である。
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