プロテオミクス融合技術による乏突起神経膠腫の化学療法感受性メカニズムの解析
Project/Area Number |
17659451
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 令江 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 講師 (80253722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐谷 秀行 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (80264282)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | glioma / 乏突起神経膠腫 / プロテオミクス / 抗癌剤感受性 / 臨床マーカー / トランスクリプトーム / differential display / データマイニング |
Research Abstract |
gliomaにおいて,唯一化学療法に感受性を示し、予後良好のものとして乏突起神経膠腫があげられる。特徴として、染色体1番短腕(1p36)および19番長腕(19q13)の欠失(LOH)が高頻度に認められ、とくにanaplastic oligodendroglioma(AOG)が化学療法に高い感受性を示すことは様々な臨床例から証明されている。本研究においては、AOGの化学療法感受性および非感受性の分子メカニズムを、最先端のプロテオミクス融合解析技術(融合型differentialプロテオーム・トランスクリプトーム解析)を用いて詳細に明かにし、AOGの病理診断、治療方針や予後予測をより正しく診断するための臨床マーカーや、化学療法非感受性の症例に対する有効な治療薬を開発するための基礎情報を得る事を目標に主に解析方法論の検討を行った。初回の外科手術にて摘出され、その直後に術場にて急速に液体窒素で凍結して保存されている腫瘍サンプルで、病理学的にAOGと分類され、かつ1pLOH,19qLOHの有無、化学治療の感受性の有無のfollow upを行っているサンプルの解析を行った。方法として、AOGサンプルを用いた最高感度プロテオミクスDifferential Display法(2D-DIGE法、cICAT法、iTRAQ法)とDNA chipによるmRNAレベルのDifferential Display、得られたデータのマイニング、特異的活性化・不活性化シグナルネットワークの抽出法の確立を行い、これを解析に応用したところ、特に非感受性で特異的に変動した合計201個の蛋白質が抽出された。特徴的なシグナルとして、アポトーシス関連キャスケード、血管過剰新成・血管透過性を特徴づける補体凝固系因子・血管新成因子系、サイクリンを中心とする細胞周期G1/S, G2/M関連分子群によるシグナルの亢進、インテグリン・カドヘリンを介した接着因子群、分解系の亢進、又、1pのLOHに関連して、Myc/Madによる発現調節の異常、レチノイン酸レセプター・アンドロジエンレセプター(DHTR)関連シグナルを代表とする核レセプターなどの転写因子系を介したシグナル亢進などが認められた。得られた情報から、薬剤非感受性で感受性に転ずるための有効なシグナルを補足する薬剤の開発や、治療方針や予後予測を正しく診断するための病理診断マーカーの開発ができる可能性が高い。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)