Project/Area Number |
17659455
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 登 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40235982)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 胚性幹細胞 / 片マヒ / 神経幹細胞 / ケモカイン / 神経接着因子 / 運動機能 / 機能回復 / サル / カリシウム流入 / 神経培養因子 / SDF1 |
Research Abstract |
霊長類胚性幹細胞からレチノイン酸を用いて神経前駆細胞まで分化を誘導した。この細胞を片麻痺モデルマウスの側脳室近傍に移植した。移植した側脳室近傍から損傷部皮質まで、移植神経細胞が移動しながらシナプトフィジン陽性の神経網を再構築し、マウスの運動機能が改善した。脳損傷マウスでは損傷部グリア細胞からケモカインSDF1が産生されていた。移植された神経前駆細胞はその受容体であるCXCR4を特異的に発現しており、神経前駆細胞に作用し更なる分化と損傷部への移動が認められた。実際、CXCR4の阻害物質を移植マウスに投与すると、神経前駆細胞の移動は認められなくなった。 移動した損傷皮質で残存宿主神経細胞と再接続し、移植部近傍では残存する錐体路と再接続することで、神経細胞移植による運動機能回復がもたらされていた。ここでもちいた移植細胞は神経幹細胞や比較的若い前駆細胞であり、移植後に局所において運動神経への更なる分化を誘導する必要がある。この過程にもSDF1が作用していた。 発生過程において神経接着因子であるNCAMやL1CAMを介した刺激が神経細胞の機能獲得に重要なことがknockout mouseの研究から知られている。我々の片麻痺モデルマウスの神経細胞の再生過程においても、神経接着因子であるNCAMとL1CAMを介した刺激が神経細胞の軸索の進展とシナプス形成を効率的にもたらすことを見出した。即ち、神経細胞はNCAM、L1CAMを選択的に発現し神経網再構築にはNCAMとL1CAMが必須であった。これらの成績から、神経網の再構築にはケモカインとケモカイン受容体および神経接着因子との相互作用が必要であることが示された。さらにこれらの遺伝子組み換え蛋白は、神経再生治療に応用することの可能性が示された。
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