レンチウイルスベクターを用いた着床のメカニズムの分子生物学的解析
Project/Area Number |
17659515
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡部 勝 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30089875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (20304066)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 着床 / レンチウイルスベクター / 遺伝子治療 / 遺伝子操作マウス / 胎生致死 |
Research Abstract |
レンチウイルスベクターを使用して着床のメカニズムを明らかにするために、まずレンチウイルスの特性を利用し、胎盤特異的な遺伝子発現システムの開発を試みた。申請者らはすでに、受精卵から透明帯を除去した後にそれらが2-4細胞期胚になった頃レンチウイルスをベクターとするトランスジーンを感染させることにより効率的にTGマウスを作製できることを報告してきた。 この系に改良を加え、卵子をさらに分化の進んだ段階まで培養しておき胚盤胞期に達したあとで、透明帯を除去した後に緑色蛍光たんぱく質を持ったレンチウイルスベクターを感染させることにより、卵子の外層を形成するトロフェクトダームにのみウイルスの感染が成立し、そのためにその後このブラストシストを子宮に移植し、胚の発生が進んだ段階で胎児を観察すると、胎児には遺伝子が全く導入されておらずブラストシスト期には卵子の外側を形成していた細胞に由来する胎盤の組織はきれいな緑色蛍光を示し、このシステムにより胎盤特異的な遺伝子導入を起こせることを確認した。 何らかの遺伝子の欠損に伴う着床不全の例としてets2,erk2,p38aなどの系が知られている。そこでこのような遺伝子を欠損しているために胎盤異常により胚性致死となる疾患モデルマウスを入手し、これら着床不全の症状を欠損遺伝子をレンチウイルスで胎盤のみに導入することにより、胎盤の遺伝子治療を行うことを試みた。新規に開発したこの系は胎児や母体に遺伝子治療の痕跡を残すことなく胎児を扱うことができたため、臨床への応用が可能であることが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)