歯原性腫瘍ならびに嚢胞性疾患の顎骨吸収の分子メカニズム
Project/Area Number |
17659633
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯田 征二 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (40283791)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相川 友直 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助手 (00362674)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 歯原生腫瘍 / 歯原生嚢胞 / 顎骨吸収 / RANKL / PTHrP / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 歯原性腫瘍 / 歯原性嚢胞 |
Research Abstract |
顎骨嚢胞および顎骨腫瘍の骨-病変境界の解析:外科手術により切除された組織の解析に対して同意の得られた患者標本から、病変と顎骨境界を解析できるように、ホルマリン固定、EDTA脱灰したパラフィン切片を作成し、破骨細胞の同定を酒石酸耐性酸性フォスファターゼ(以下、TRAP)染色、歯原性上皮細胞の産生する破骨細胞誘導因子として副甲状腺ホルモン関連ペプチド(以下PTHrP)およびRANKLの免疫染色をおこなった。その結果、病変側の顎骨に有意にTRAP陽性の破骨細胞の存在が確認され、破骨細胞周囲には吸収窩が観察された。これより、嚢胞性疾患や歯原性腫瘍の骨吸収、病変の増大に破骨細胞の誘導、活性化が関与していることが示された。破骨細胞を誘導・活性化する局所因子として、歯原性上皮細胞が産生することが知られているPTHrPと破骨細胞を直接誘導しうるRANKLタンパクの免疫染色を行った。その結果、濾胞性歯嚢胞(Follicular cyst)の裏層上皮細胞のうち、基底細胞を除く重層上皮に、歯原性角化嚢胞(Odontogenic keratocyst)では基底細胞を含め全ての上皮細胞に、エナメル上皮腫(Ameloblastoma)では腫瘍を構成する高円柱上皮にPTHrP陽性所見を認めた。RANKLはエナメル上皮腫の上皮細胞に弱い陽性を示したが、RANKL陽性細胞と破骨細胞の空間的な連続性は確認できなかった。また、RANKLはすべての病変-骨境界部の破骨細胞周囲の骨芽細胞にも陽性所見を示した。 顎骨嚢胞内溶液中のPTHrPタンパクの定量:Follicular CystおよびOdontogenic keratocystの内容液中のPTHrPタンパクの濃度をRIAにて定量した。その結果,それぞれ50pM,40pMと細胞培養条件でも破骨細胞を誘導しうる濃度のPTHrPタンパクが検出された. 以上の結果から、歯原性上皮細胞はPTHrPタンパクを産生し、.骨芽細胞に作用して骨芽細胞のRANKL発現を促進する機構が存在する可能性が示唆された。 また、臨床的見地からの報告として、本年度にあらたに改正されたWHOの組織学的分類では歯原性腫瘍に分類された石灰化歯原性嚢胞の骨吸収あるいは隣接歯牙との関係をレントゲン的に検討した報告を行った。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)