Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
歯周病原細菌の一つであるPorphyromonas gingivalis (P.gingivalis)由来のLipopolysaccharide(LPS)は,腸内細菌であるEscherichiacoli(E.coli)由来のそれとは異なる生物活性を持っており,毒性や宿主細胞に対する炎症性サイトカイン誘導能は低いことが報告されている。しかしながら活性の違いがなぜ生じるかについての詳細については明らかとなっていない。TLRシグナリングnegative regulatorがP.gingivalis LPSに対する宿主細胞の低応答性に関与している可能性に注目し,P.gingivalis LPSによるマクロファージにおけるTLR signaling negative regulatorの発現動態について検討した。Myelomonocytic cell line, THP-1をPMA(200nM)を添加した10%FCSを含むRPMI1640培地にて48時間培養し,マクロファージに分化させた。分化した細胞に抗原としてP.gingivalis,E.coliの各菌種由来LPS(0.01,0.1,1μg/ml)を10%FCS存在下で添加し刺激した。刺激後24時間における培養上清中のTNF-α,IL-6,IL-12産生量をELISA法にて検討した。また,刺激後のIRAK-1, IRAK-M mRNA発現の経時的変化をReal-time PCR法にて,IRAK-1,IRAK-M,SOCS-1,SHIPのタンパク発現をWestern blot法にて検討した。また,刺激後9時間におけるNF-κBの活性化をELISA法にて検討した。さらにIRAK-M特異的siRNA(40nM)をトランスフェクトしてノックダウンし,同様の実験を行った。その結果、P.gingivalis LPS刺激によるIRAK-MのmRNA発現およびタンパク発現はE.coli LPS刺激によるものと比較して有意に増強されていた。いずれの菌種由来LPS刺激においてもRAK-1のmRNA発現に変動は認められなかった。一方、P.gingivalis LPS刺激9時間後以降において,IRAK-1の分解が抑制された。また、IRAK-M特異的siRNAによりP.gingivalis LPS刺激9時間後におけるIRAK-1の分解が促進され、P.gingivalis LPS刺激9時間後におけるNF-κBの活性化が促進された。以上より、P.gingivalis LPSは,マクロファージにおけるIRAK-M発現を特異的に増強してその下流のシグナル伝達を抑制することにより,宿主細胞の低応答性に関与している可能性が示唆された。
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