病原細菌におけるIII型分泌装置のエフェクター蛋白質の情報解析的予測
Project/Area Number |
17681024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎ゲノム科学
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
黒川 顕 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (20343246)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2006: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | III型分泌装置 / エフェクター蛋白質 / 自己組織化地図法 / SOM / バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
1.現在までにゲノム全配列が明らかとなっている約240種類の細菌ゲノム配列データをDDBJから入手し,PostgreSQLにてデータベース化した.さらに,TTSSを保有している病原性および非病原性細菌において,TTSSを構成する遺伝子群および実験生物学的にエフェクターとして報告されている遺伝子データベースも併せて整備しウェブから参照できるサーバを設置した. 2.Kanaya et al.(Gene,276:89-99,2001)が開発したSOMソフトウェアは32bitマシン用に設計され,かつJava言語でコードされているので,それらを64bitメモリ空間で高速に動作可能にするために新たにC言語にて開発を行った. 3.TTSSを保有しており,かつゲノム全配列が得られる約40種類の細菌において,各種ごとにエフェクターの予測を行った.まず既知のエフェクターを含む全遺伝子のアミノ酸使用頻度を計算した後,N末端50残基のアミノ酸頻度パターンに関してSOMを用いて非線形クラスタリングを行い,各種においてすでに既知であるエフェクターを指標として,新規エフェクターの候補を抽出した. 4.本手法を病原性大腸菌O157に適用し,60個の遺伝子を分泌蛋白遺伝子候補として予測した.これら予測した遺伝子には,既知のエフェクタータンパク遺伝子だけでなく,研究協力者である大阪大学医学系研究科戸邉享博士により実験的に明らかとなったエフェクタータンパク遺伝子の70%が含まれていたことから,本予測法が極めて高いレベルにあることを示唆しており,それら以外の候補もエフェクタータンパク遺伝子としての可能性が高いと考えられた. 5.さらに,現在ゲノム解析が進行中である大腸菌O111,O103,O26にて本方法を適用し,世界に先駆けてエフェクター遺伝子の予測を実施している.
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)