Budget Amount *help |
¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
球面上における渦運動の数理と高速数値計算法の研究計画の最終年度として,下記の成果を得た. (1)これまでに展開してきた極渦点を回転の効果とするハミルトン系としての渦点方程式の数理解析では,カオス的軌道が存在することを示した.この解析はサドルセンター型不動点を持つハミルトン系に対して成立するメルニコフ解析と"AUTO"と呼ばれる数値計算パッケージを併用することで実行された.これは球面渦点運動にカオス的軌道が存在するという,これまでに知られることのなかった事実である.本研究は現在査読付き雑誌に投稿・受理され印刷中である. (2)次に回転効果をより正確に取り込み,渦運動と回転の効果を調べるため,コンター渦法(Contour Method)によって回転の効果を球面の剛体回転に対応する流れ場として取り込み,それと渦点の運動の相互作用を数値的に調べた.その結果,回転球面においては回転のエネルギーが点渦運動にエネルギーを与えたり,逆にエネルギーを吸収したりして渦点運動に大きな影響を与えることがわかり,これまで行ってきた理論的研究との類似点と相違点がはっきりしてきた. (3)回転球面上の点渦運動を高速・高精度に計算するアルゴリズムの開発は成功し,現在査読付き論文誌に投稿・修正中・まもなく出版される予定である.本方法は渦層運動の数値計算に応用され,計算精度および計算速度ともに満足するものであることがわかっている.今後はこのアルゴリズムをベースにして,ポテンシャル渦法がラグランジュ保存量であることに注目した「ポテンシャル渦法」を開発中であり,とれを地球流体力学における問題に応用するために準備を行っている. また,これらの成果をフランスのオイラー方程式の研究集会やスイスの国際応用数学者会議,イギリスの球面流体方程式に関する国際会議で発表し,今後の研究の方向性や発展について活発な議論を行った.
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