気/液界面でのラフトドメインモデルの構築と機能解明
Project/Area Number |
17685012
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials chemistry
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
飯村 兼一 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (10272220)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥23,400,000 (Direct Cost: ¥18,000,000、Indirect Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2005: ¥21,450,000 (Direct Cost: ¥16,500,000、Indirect Cost: ¥4,950,000)
|
Keywords | 生体膜 / ラフトドメイン / Langmuir膜 / スフィンゴ脂質 / コレステロール / マイクロドメイン / 斜入射X線面内回折 / リン脂質 / 単分子膜 / 相分離 |
Research Abstract |
生体膜におけるラフトドメインは、スフィンゴ脂質とコレステロールを主成分とする固体様のマイクロドメインで、タンパク質の吸着や輸送、情報伝達の場として機能していると考えられている。本研究では、水面上に脂質分子の単分子膜を形成させ、膜分子間あるいは膜と生体物質との相互作用を明らかにすることによって、ラフトドメインの形成や機能、特性を物理化学的に理解することを目的とした。平成18年度は、主として、ラフト脂質であるガングリオシドGM1(GM1)、コレステロール(Chol)、およびスフィンゴミエリン(SpM)の気/水界面での分子間相互作用や充填構造、および下層水に分散させたアミロイドAβの単分子膜への吸着挙動や構造について検討した。 GM1は30℃では液体膜しか形成しなかったが、Cholは30℃でも40mN/mまで安定に存在する凝縮膜を形成した。GM1とCholの間には、水面温度および混合比によらず分子間親和力が働き、30℃でも混合膜(ただし本研究で確認できた範囲としてモル比[Chol]/[GM1]≧1)においては凝縮相が形成されることを明らかにした。単分子膜の面内回折測定の結果によれば、30℃のGM1とCholの混合膜における分子充填構造は、生体膜の内圧に相当するといわれている30mN/mで二次元のヘキサゴナルであり、回折ピークの半値幅から求められる結晶子サイズは数nm以下であった。更には、スフィンゴシン骨格にアミド結合した脂肪酸部構造が系統的に異なる数種のSpMを用いることによって、一連のラフト脂質の混合膜における組み合わせや混合比、水面温度に依存した分子間相互作用や分子充填構造を体系的にまとめることができた。また、アミロイドタンパクの膜への吸着についても検討したが、本研究の範囲では、用いた脂質には関わらず、膜への吸着後は直ちにβシート構造をとることが示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(8 results)