結晶成長で達成する世界最高性能偏極電子ビーム源の開発
Project/Area Number |
17686004
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied materials science/Crystal engineering
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
宇治原 徹 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60312641)
|
Project Period (FY) |
2005 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥29,770,000 (Direct Cost: ¥22,900,000、Indirect Cost: ¥6,870,000)
Fiscal Year 2006: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2005: ¥23,660,000 (Direct Cost: ¥18,200,000、Indirect Cost: ¥5,460,000)
|
Keywords | 半導体フォトカソード / 線形加速器 / 超格子構造 / スピン偏極 / 有機金属気相成長法 |
Research Abstract |
高エネルギー物理学分野における最重要課題の一つは、「超対称粒子」の発見であるが、この粒子の形成には、高効率偏極電子源の実現が必要不可欠である。我々はこれまでに歪み超格子半導体フォトカソードによる偏極電子源の開発を行ってきた。偏極電子源の重要な性能として「高い偏極度」と「高い量子効率」があるが、現在は、偏極度は90%と非常に高いのに対して、量子効率は0.5%と極めて低い。これは、歪みによる結晶品質や構造そのものの問題による。本研究では、新型構造、特に歪み補償型超格子構造の採用により偏極電子源の高効率化を図ることを目的とした。昨年度までの研究により、歪み補償構造により結晶性の改善を行い、量子効率に関しては、最大5%まで増加させることに成功した。しかし、偏極度が80〜90%から30%にまで、極端に減少するという問題が生じた。本年度は、その原因解明と改善を行い次の結果を得た。最初に、従来構造、歪み補償構造、さらにその中間的な構造を用意し、すべての変極度と量子効率の励起波長依存性を調べた。その結果、歪み補償構造を採用した場合、量子効率スペクトルが超格子が励起されたときに見られる特徴を示さないことがわかった。さらに、バンド構造計算やフォトルミネッセンスによるバンドギャップの見積もりを行ったところ、歪み補償構造の場合は、超格子構造ではなくその下にあるハッファ層で励起された電子が混入していることを明らかにした。そこで、その改善法としてバッファ層と超格子層の間に電子流入を抑制するバリア層を導入したところ、超格子構造で励起された電子の特徴をあらわす量子効率スペクトルに変化し、さらに偏極度を向上させることに成功した。しかしながら、偏極度はいまだ70%程度と十分ではなく、さらに歪みの制御によるバンド構造の最適化の必要性が示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)