超伝導素子による単一光子検出に基づいた高精度光計測技術の開発研究
Project/Area Number |
17686008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied optics/Quantum optical engineering
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
福田 大治 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (90312991)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥20,540,000 (Direct Cost: ¥15,800,000、Indirect Cost: ¥4,740,000)
Fiscal Year 2006: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
Fiscal Year 2005: ¥11,570,000 (Direct Cost: ¥8,900,000、Indirect Cost: ¥2,670,000)
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Keywords | 高量子効率 / 光子数識別 / 高エネルギー分解能 / 極低温 / カロリメータ / シングルフォトン / 光パルス / 低暗計数率 / 低暗計数 |
Research Abstract |
本年度は、最終目標である「1個から10個程度までの光子を含む光パルスを、量子効率80%、計数率100kbits/s、エネルギー分解能0.2eVで光子数識別できる技術」の実現に向け、より実践的な高精度光計測技術の開発研究を行った。前年度までに得られた成果を元に、超伝導転移端マイクロカロリメータによる光子数識別技術を中心として引き続き研究を進めた。本年度に開発すべき要素技術としては、(1)光ファイバーとの高効率結合、(2)高計数率動作に向けた読み出し回路の広帯域化、および、(3)高量子効率を達成するための光閉じ込め構造の三つである。まず(1)については、光ファイバー端近傍にコア径とほぼ等しい形状の検出素子を光結合させるため、0.1μmの位置分解能を持つ調芯装置を整備した。これにより、0.13dB程度の損失で光ファイバーと素子を結合させることに成功した。(2)については、読み出し系の帯域制限に由来した素子の電熱的な発振を防ぐため、素子と電流アンプ間の寄生インダクタンスの低減を図った。これにより、帯域5MHzを達成し、計数率100kbits/sで測定する環境を構築することに成功した。(3)については、アルミミラーおよび無反射誘電層による光閉じ込めキャビティを構築して、素子の量子効率の向上を図った。この構造により、反射率が22%にまで低減され、量子効率80%を実現するための知見が得られた。以上の要素技術を元に、1550nm帯の微弱コヒーレント光の測定実験を行った結果、0.3μsの応答速度と0.7eV(FWHM)のエネルギー分解能を達成することに成功した。この応答速度は、600kbits/sでの計数率で動作できることに相当し、世界最高速での光子数識別能力を得ることに成功した。これらの成果を論文にまとめて投稿し、また国際学会等でも積極的に報告した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)