塩害・中性化により劣化した鉄筋コンクリートの総合維持管理マネジメント

• Project/Area Number: 17686038
• Research Category: Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
• Allocation Type: Single-year Grants
• Research Field: Civil engineering materials/Construction/Construction management
• Research Institution: Kanazawa Institute of Technology
• Principal Investigator: 宮里 心一 金沢工業大学, 環境・建築学部, 助教授 (60302949)
• Project Period (FY): 2005 – 2006
• Project Status: Completed (Fiscal Year 2006)
• Budget Amount: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000); Fiscal Year 2006: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000); Fiscal Year 2005: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
• Keywords: 土木構造物 / 鉄筋コンクリート / 耐久性 / 塩害 / 中性化 / 外部環境 / 力学性能 / 補修 / 土木建造物

Research Abstract

塩害および中性化により劣化した鉄筋コンクリート部材の、総合的な維持管理マネジメント技術の開発を目的とし、(1)既存鉄筋コンクリート部材の腐食速度を微破壊試験で測定する技術の確立、(2)鉄筋の腐食箇所と腐食量がコンクリート部材の曲げに対する耐力低下状況に及ぼす影響の評価、(3)腐食要因物質の浸透状況および鉄筋の腐食状況を考慮し、部材の耐力低下を抑制することに有効な補修・補強工法の確立、(4)上記の(1)〜(3)を有機的に連結して、塩害および中性化により劣化した鉄筋コンクリート部材における総合的維持管理マネジメントシステムの構築、を図った。具体的な成果を列挙する。
1.コンクリート中の鉄筋腐食のモニタリング技術の開発
・かぶりコンクリート中にモニタリング材(鉄筋とステンレスを接続した鋼材)を埋設することにより、主筋の腐食発生時期を事前に予測できることを明らかにした。
・補修後におけるマクロセル腐食速度をモニタリングする技術を開発した。
2.鉄筋腐食がコンクリート部材の力学性能に及ぼす影響の解明
・腐食量が増加すると、腐食形態に拘らず、梁の降伏荷重、曲げ剛性および終局荷重は低下することを明らかにした。特に、全面腐食と比較して局部腐食では、終局時に急激な破壊に至り、極めて危険な状態となる。
3.劣化した鉄筋コンクリートに対する合理的な補修方法の開発
・断面修復材料とプライマーの組合せを考慮し、マクロセル腐食を抑制する補修材料を提案した。
・母材と補修材間に撥水材を塗布することにより、マクロセル腐食を抑制できることを明らかにした。
4.総合的な維持管理マネジメントシステムの提案
・点検に基づく予防保全的な対策により、塩害あるいは中性化を抑制することが重要である。

Research Products

• [Journal Article] Influence of Corrosion Cell and Corrosion Quantity on Bending Behavior in Reinforced Concrete Beam (2006)
  • Author(s): 花岡大伸, 矢野真義, 宮里心一
  • Journal Title: Proceedings of The 10th International Conference on East Asia - Pasific on Structural engineering and Construction Pages: 245-250
• [Journal Article] Relationship between External Environment and Corrosion Rate of Existing Reinforced Concrete Structures (2006)
  • Author(s): 平石陽一, 宮里心一, 横関康祐
  • Journal Title: Proceedings of The 10th International Conference on East Asia - Pasific on Structural engineering and Construction Pages: 513-518
• [Journal Article] 力学性能も考慮したRC梁の局部腐食に対する合理的な補修方法の提案 (2006)
  • Author(s): 花岡大伸, 宮里心一, 羽渕貴士, 網野貴彦
  • Journal Title: 土木学会第61回年次学術講演会講演概要集 5 Pages: 67-68
• [Journal Article] モニタリング材を用いたコンクリート中鉄筋の腐食発生時期予測手法の開発 (2006)
  • Author(s): 毛利幸一, 東洋輔, 宮里心一, 綾田隆史, 向井浩三
  • Journal Title: 土木学会第61回年次学術講演会講演概要集 5 Pages: 557-558
• [Journal Article] 断面修復材料の相違が鉄筋コンクリートのマクロセル腐食に及ぼす影響 (2006)
  • Author(s): 梨本竜太郎, 宮里心一, 堀井久一, 熊谷慎祐, 大濱嘉彦
  • Journal Title: 土木学会第61回年次学術講演会講演概要集 5 Pages: 35-36
• [Journal Article] 内在塩分を有する鉄筋コンクリート橋のマクロセル腐食を考慮した補修 (2006)
  • Author(s): 平石陽一, 宮里心一, 松田哲夫, 高木英昭, 八塚博
  • Journal Title: 土木学会第61回年次学術講演会講演概要集 6 Pages: 43-44
• [Journal Article] ひび割れを有する鉄筋コンクリートの腐食速度解析モデルの提案 (2006)
  • Author(s): 長谷川裕介, 宮里心一, ほか
  • Journal Title: コンクリート工学論文集 17巻・1号 Pages: 31-39
  • NAID: 10016731647
• [Journal Article] Influence of unsteady external environment on corrosion rate in reinforced concrete (2005)
  • Author(s): Y.Hiraishi, S.Miyazato, etc
  • Journal Title: Proceedings of International conference on Concrete Repair, Rehabilitation and Retrofitting Pages: 401-407
• [Journal Article] 塩害・中性化試験における促進倍率の評価 (2005)
  • Author(s): 日景新一, 宮里心一, ほか
  • Journal Title: 土木学会第60回年次学術講演会 5 Pages: 429-430
• [Journal Article] 外部環境の変化がセメントペースト中鉄筋のマクロセル腐食速度に及ぼす影響 (2005)
  • Author(s): 平石陽一, 宮里心一, ほか
  • Journal Title: 土木学会第60回年次学術講演会 5 Pages: 371-372
• [Journal Article] 中性化により劣化したコンクリート中鉄筋に対する腐食速度解析モデルの構築 (2005)
  • Author(s): 東洋輔, 長谷川裕介, 宮里心一, ほか
  • Journal Title: 土木学会第60回年次学術講演会 Pages: 363-364
• [Journal Article] 鉄筋コンクリート梁の曲げ性状に及ぼす腐食形態の影響 (2005)
  • Author(s): 矢野真義, 宮里心一
  • Journal Title: 土木学会第60回年次学術講演会 Pages: 343-344