Budget Amount *help |
¥30,160,000 (Direct Cost: ¥23,200,000、Indirect Cost: ¥6,960,000)
Fiscal Year 2007: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2006: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2005: ¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
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Research Abstract |
細胞質におけるカルシウム濃度は百種類以上の蛋白質分子の活性制御機構に関与しており、その時間的・空間的制御は細胞機能に必須である。中でも,イノシトール1,4,5三リン酸受容体(IP_3受容体)は小胞体からのカルシウム放出を担う主要なチャネル蛋白質であり,様々な情報伝達系に関与している。哺乳類の神経ネットワーク形成において,このチャネル蛋白質の機能に依存した細胞の運動や形態制御が重要であると示唆する知見は数多いが,その寄与の程度はほとんどの場合不明である。そこで本研究では,神経細胞における主要なサブタイプであるタイプ1 IP_3受容体の活性制御機構を明らかにするとともに,三種類存在するIP_3受容体サブタイプ全てを,特定の神経細胞で欠損するマウスの作製を行った。前者の研究からは,小胞体内腔におけるタイプ1 IP_3受容体を複数同定し,それらがこの受容体の成熟や機能を調節することを見出した。後者の研究ではまず,タイプ1 IP_3受容体の開始コドンを含むエクソン両端に1oxP配列を挿入したマウスの作出に成功した。このマウスと,大脳興奮性神経細胞にのみCreリコンビナーゼを発現するEmx-Creマウスの交配を行い,この神経細胞特異的にタイプ1 IP_3受容体を欠損するマウスを作製した。現在,このマウスの解析,及び,他のサブタイプ欠損マウスとの交配を行っている。さらには,タイプ3 IP^3受容体ノックアウトマウスを用い,神経成長因子(NGF)依存的なDRGの軸索伸長に対してIP_3受容体からのカルシウム放出が負の制御を行うことを明らかにした。これは,従来の薬理学的手法を用いた結果と相反するものであり,その分子機構解明により軸索伸長における新たなモデルの提唱につながり得るものであると考えている。
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