半導体撮像素子の不均一特性を利用した撮影カメラの法科学的個体識別に関する研究
Project/Area Number |
17700219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Perception information processing/Intelligent robotics
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
黒沢 健至 科学警察研究所, 法科学第二部, 主任研究官 (80356170)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 犯罪鑑識科学 / 撮影カメラ個体識別 / 半導体撮像素子 / 雑音パターン / パターン類似度 / 暗電流 |
Research Abstract |
犯罪に関わる映像が被疑者の所有するカメラで撮影されたものであるか否かを特定できる従来の撮影カメラ個体識別法は、その原理と判断過程が明確で識別精度が高いものの、明確な特徴画素が出現しない撮像素子では識別できない。そこで鑑定可能な資料種類の拡大を目的として、特徴画素以外の大多数の正常画素における暗電流値などの電気特性の僅かなばらつきに着目した識別法について検討した。 本年度は、同一機種のカラーCCD撮像モジュール(26万画素、NTSC出力)を複数個用いて、これらの固定パターン雑音(FPN)の個体内変動と個体差を調べ、これの類似度に基づく個体識別の可能性について検討した。FPNの観測を容易にするためブランク映像を用いて実験し、ランダム雑音を抑制するために100〜1000フレームをキャプチャし積算して、積算画像をFPNとした。画像の取り込みには、モノクロ12bitのビデオキャプチャボードを用いた。実験は室温で行い、1つのモジュールについて10分毎に6回取得した。10日後にも同様の方法で6回ずつ取得した。得られたFPNの類似度を正規化相関係数(r)で評価したところ、0日目のデータについて同個体間と異個体間ではr値の分布に明確な差があり、r値を指標にして撮影カメラの個体識別が行える可能性が示された。10日後のデータについてもrの値に大きな変化はみられず、数日の経過ではFPNの類似度はあまり変化しないことが分かった。同個体間のr値は1000フレームまでの範囲内で積算枚数に対する増加関数となる結果であり、実際の鑑定の際には使用可能なフレーム数を評価する必要性が考えられた。 以上のことから、正規化相関係数による類似度評価で、撮影カメラの個体識別が行える可能性が示された。今後は、任意の撮影画像からのFPN抽出法の開発が課題である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)