Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
「感性」の育成を支援することができる教育教材を開発していく基礎資料を得ることを本研究の目的としている。初年度は,繊維および布地に関する知識調査および判別試験を行い,視覚的触感に関する官能検査の被験者を体験的知識の差で3グループに分類した。その上で、官能検査において,綿・麻・絹の三大天然繊維を直径の異なる円形試料9種類用いて触感判定実験を行った。画面のみの情報では触感判定は難しいが,実物では手触りに近い評価となった。さらに,体験的知識が上位の群ほど,手触りと画面との評価が近くなる傾向も明らかになった。 これを受けて、2年次として素材を綿に統一し、物性が異なる6種類(ブロード#160・#120,コーマブロード#40,サテン,ツイル,ソフトデニム)の布を用いてロングスカートを制作し、1年次と同様の判別試験を行った(ただし被験者は異なる)。その結果、実物より画像の方が触感を捉えにくくなる傾向は同じであるが、布の厚さにより判定しやすくなる閾値の存在が明らかとなった。今回の試料の範囲では、ブロード#120(0.518mm)からサテン(0.746mm)の間では、画像と実物での官能値の間に差が見られなかった。従って、薄い布や厚い布は提示情報の違いがあっても触感が判別しやすい場合があることを示している。次に、触感と布の物性値(KES測定値)との相関を調べた。その結果、「かたさ」では実物の試料で曲げ剛性(WARP)との相関が見られたが、剪断剛性との相関は見られなかった。「厚さ」については生地の厚さ(TO)との相関があり、特に実物では0.90と大きく前述の触感と厚さの関係性を裏付けている。「重さ」については実物判定で布の質量と0.93と強い相関が見られた。「しなやかさ」については目立った相関は確認できなかった。さらに、繊維判別試験で比較的判定率の高かったグループの方が物性との相関性があることが明らかとなったが、今回の実験では全ての被験者が判定率が低かったたため追加実験が必要である。 以上、実体験を通した経験値が高いほど、情報源が異なっても触感判別する能力が高いことが示唆する結果を得たことから、感性教育における実体験の重要性が明らかとなった。
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