Project/Area Number |
17700263
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | Gunma Prefectural Women's University |
Principal Investigator |
田中 美帆 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 講師 (50345419)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 認知的加齢 / 注意制御スキル / ゲーミング |
Research Abstract |
本研究の目的は、加齢により影響を受ける注意制御スキルが、ゲーミングを用いた学習により改善する可能性を検証することであった。 前年度までの心理物理実験により、加齢は注意制御スキルの処理遅延のみならず、質的変化を招く可能性が提唱された。この結果を受け、本年度は高齢者を参加者としたプレ・ポスト実験を実施し、ゲーミングによる注意制御スキルの量的・質的両面からの学習効果を検討した。概要と結果は以下の通りである。 参加者はまず視覚的注意課題を遂行し、ゲーミング前の成績を測定する(プレ課題)。次いで、視覚的注意能力が必要だと予備調査で考えられたコンピュータ・ゲームを、できるだけ得点が高くなるよう繰り返しプレイする。このゲームでは、画面上にランダムに出現する数種のキャラクターをすばやく認知し、マウスでクリックする。キャラクターの種類に応じて得点が加減されるというゲームであった。その後、再度視覚的注意課題を実施し、成績を測定した(ポスト課題)。その結果、まず、コンピュータ・ゲームの成績は、ゲームを繰り返すことにより上昇した。また、視覚的注意課題のひとつであるRSVP課題において、無関連刺激を同時提示した場合にポスト課題の成績がプレ課題より改善する傾向が見られた。この結果は、一般に高齢者が苦手とする「注意抑制の機能」が改善した可能性を示唆する。すなわち、従来の研究では注意の処理速度という量的側面に対する学習効果しか見られなかったのに対し、本研究では注意の質的側面に対する学習効果の可能性が提示された。 ただし、コンピュータ・ゲームに対する抵抗感には個人差が大きい。もともとゲームに抵抗の少ない協力者しか実験に参加できないという本研究独自の特性があるため、この点についてはさらなる検討が必要であろう。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)