Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
人間の認知的な特性を利用してインタフェースがユーザから自然なふるまいを誘発する手法を提案するために,ユーザに対して特定の感情を想起させるような情報をインタフェースから呈示することでユーザの共感を引き出し,その共感を利用して自然なふるまいを誘発する手法の実現を目指した.まず,ユーザに対して特定の感情を想起させる情報を明らかにするため,以下の二つの認知心理実験を行った. 実験1:基本周波数の変化幅(11種類)・発話時間長(4種類)を変化させた44種類の合成音を被験者20人に呈示し,その音を発しているPCが,(1)驚き・疑問,(2)時間稼ぎ・躊躇,(3)肯定・同意のどの状態を示しているのかを被験者に推定させた. 実験2:画面上に表示された白い四角形が左から右へと移動するアニメーション44種類(移動速度の変化幅11種類,移動時間長4種類)を被験者20人に呈示し,実験1と同様にこの情報を表出しているPCの状態を上記の三状態から推定させた. この実験の結果から,呈示した情報の種類に依存せず,情報の自然減衰から逸脱する方向に変化した情報は「驚き・疑問」と認識され,自然減衰と合致するように変化した情報は「肯定・同意」と認識されたことが理解された. そしてこれらの情報を,(1)ペット型ロボット,(2)ノート型PC上のソフトウェア,(3)ノート型PC上の擬人化エージェントからユーザに対して表出したところ,その情報を呈示する人工物に依存して,被験者の情報解釈の仕方が異なっていたことが明らかになった.例えば,ソフトウェアから情報を呈示すると,その情報は上記の認知心理実験と同様に解釈されていたが,ペット型ロボットからそれらの情報を表出すると,それらの解釈は全く異なるパターンを示していた.よって本研究課題を達成するには,人工物の外見がユーザの情報解釈に与える影響についても考慮しなければならないという課題を得た.
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