Project/Area Number |
17700312
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | Tohoku University (2006) Nagasaki University (2005) |
Principal Investigator |
守屋 孝洋 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80298207)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 睡眠 / 神経新生 / 神経幹細胞 / 再生医学 / 海馬 |
Research Abstract |
脳機能に重要な役割を果たす海馬歯状回における神経新生に対する睡眠の調節メカニズムを明らかにすることが本研究の目的である。神経幹細胞は自己複製能及び多分化能を有する未分化な細胞であり、側脳室下帯および海馬歯状回に存在する。最近、神経幹細胞は病的プロセスに対する再生機能だけでなく、脳の生理学的機能と密接な関係があることが明らかになってきた。平成17年度の研究により、睡眠剥奪が海馬-歯状回の門領域に存在する神経幹細胞の増殖能を抑制すること、および睡眠剥奪後の回復睡眠が海馬歯状回の顆粒細胞下層に存在する神経幹細胞の増殖能を約2倍に増加させることを見出した。そこで本年度の研究では、睡眠による神経幹細胞活性調節の原因脳内物質の同定を、培養神経幹細胞を用いて行った。特に、睡眠剥奪によって脳内で産生され、強力な睡眠誘発作用を有するプロスタグランジンD_2とアデノシンに着目した。海馬由来の神経幹細胞をニューロスフェア法によって分離培養し、その増殖能に対するプロスタグランジンD_2とアデノシンの効果を生細胞数測定法(WST-8法)によって検討した。プロスタグランジンD_2とアデノシンは濃度依存的にEGFおよびFGF2によって惹起される神経幹細胞の増殖を抑制した。プロスタグランジンD_2とアデノシンは共にG_S共役型受容体のリガンドとして作用することが知られているので、アデニル酸シクラーゼ活性化薬であるフォルスコリンを負荷したところ、同様に海馬由来神経幹細胞の増殖能は抑制された。 これらの結果から、睡眠は成体脳、特に海馬における神経新生の調節に重要な役割を果たしていることが明らかになった。また、睡眠剥奪による神経新生の抑制はプロスタグランジンD_2とアデノシンによる細胞内cAMP濃度の増加によってもたらされている可能性が強く示唆された。
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