Project/Area Number |
17700359
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
佐竹 伸一郎 生理学研究所, 生体情報研究系, 助教 (30360340)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | サイクリン依存性キナーゼ / 顆粒細胞 / 介在ニューロン / 興奮性シナプス後電流 / シナプス小胞 / 放出確率 / 放出多重性 / カルシウムチャネル / Cdk5 / プルキンエ細胞 / 登上線維 / 平行線維 / P / Q型電位依存性カルシウムチャネル / roscovitine |
Research Abstract |
小脳スライス-パッチクランプ法を用いて、Cdk5 (cychn-dependent kinase 5)阻害薬roscovitineが顆粒細胞-介在ニューロン間興奮性シナプス後電流(EPSC)におよぼす影響を観察した。EPSC振幅値は、roscovitine(30μM)の灌流投与に伴い顕著に増大した。この時、EPSCペアパルス比が低下していたことから、roscovitineは、顆粒細胞がシナプス小胞を放出する確率を上昇させたと結論した。同時にroscovitineは、EPSCの減衰時定数を増大させた。しかし、roscovitineは、ストロンチウム置換灌流液中で誘発した微小EPSC(振幅および減衰時間)に有意な変化を引き起こさなかった。 RoscovitineがEPSCを増強するメカニズムを明らかにするため、グルタミン酸受容体の低親和性競合阻害薬γ-D-glutamylglycine(γ-DGG)の影響を観察した(γ-DGGとシナプス間隙に放出された顆粒細胞伝達物質は、後シナプス性グルタミン酸受容体への結合が競合する)。RoscovitineによるEPSC増強に伴い、γ-DGGのEPSC阻害作用は著しく減弱した。Roscovitineには、シナプス間隙のグルタミン酸濃度を上昇させる作用(即ち、顆粒細胞から放出されるシナプス小胞数を増大させる作用)があると推定される。また更にγ-DGGは、roscovitine投与に伴うEPSC減衰時定数増大を消失させた。この結果は(1)多重的シナプス小胞放出に伴い後シナプス性グルタミン酸受容体が飽和している可能性、もしくは(2)EPSC最高点の後も非同期的なシナプス小胞放出が継続している可能性を示している。 P/Q型電位依存性カルシウムチャネル(Ca_v2.1)阻害薬ω-agatoxin IVAは、roscovitineのEPSC増強作用(振幅・減衰時間)を消失させた。Roscovitineは、Ca_v2.1で仲介されるシナプス小胞放出過程(放出確率および放出多重性)を亢進したと考えられる。
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