初期発生胚におけるmRNA修飾と翻訳制御機構の解明
Project/Area Number |
17700376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Laboratory animal science
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中西 友子 筑波大, 生命環境科学研究科, 助手 (10344863)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ポリA鎖付加 / ポリAポリメラーゼ / mGLD-2 / 卵細胞成熟 / 翻訳制御 / RNAi |
Research Abstract |
個体の発生・分化は、遺伝子発現を時空間的に制御することで正常に進行する。なかでも生殖細胞の分化においては、体細胞と異なり転写レベルでの調節に加え翻訳レベルでの調節が遺伝子発現に大きな役割を果たしている。我々はこれまでに精巣特異的なポリAポリメラーゼTPAPが精子形成過程でmRNAポリA鎖を伸長させることにより特定のmRNAの翻訳を活性化していることを報告した。しかし、卵細胞で機能しているポリAポリメラーゼはまだ明らかにされていない。 最近、Kimbleらは線虫でポリAポリメラーゼ、GLD-2、が卵細胞形成に必須であることを報告した。そこで本研究では、線虫GLD-2のマウスホモログであるmGLD-2がマウスの卵細胞成熟過程においても重要な役割を果たしているのではないかと考え、卵細胞における翻訳活性化メカニズムを解明することを目的にmGLD-2の発現および機能の解析を行った。 mGLD-2は卵細胞成熟過程において常にmRNAが発現しているにもかかわらず、タンパク質の存在は第一減数分裂中期以降にのみ見られた。第一次減数分裂中期はCyclinB1,Mosなどの卵細胞成熟に必須なタンパク質のmRNAポリA鎖が伸長し、翻訳が活性化される時期である。そこで、これらmRNAのポリA鎖伸長にmGLD-2が関与しているかを、卵細胞にmGLD-2を強制発現させることで検討した。その結果mGLD-2の強制発現させた卵細胞ではCyclinB1,MosのmRNAポリA鎖がコントロールに比べて伸長していた。また、mGLD-2をRNAi法によりノックダウンすると卵細胞成熟は第一減数分裂中期で停止することも明らかにした。これらのことから、mGLD-2は卵成熟過程で重要な働きをするタンパク質の翻訳を、mRNAのポリA鎖を伸長させることによって促進していることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)