Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
地図は空間情報を模式化した2次元的な情報であり,地図からそこに描かれている情報を読み取るスキルを読図という.地図開発の目的が,晴眼者の空間情報交換効率を高めることであるため,地図は弱視者にとって必ずしも効率のよい情報媒体ではない.本研究では読図を可能にする弱視者向けの支援技術を開発するため,晴眼者がどのように読図しているのかを明らかにすることを目的としている.題材として,記述が容易,視認性に富むという観点から略地図(新潟駅周辺)を選んだ.A:目的地を大きく表示し駅を表示したもの,B:略地図Aから駅と線路を除いたもの,C:略地図Aを180度反転したもの,D:略地図Cから駅と線路を除いたもの,の4種類の略地図を被験者(晴眼者.新潟駅周辺の地理に精通している)に提示し,注視点検出装置を用いて被験者の視線の動きを計測した.その際,被験者は自由に出発点を置き,目的地に向かって道順を覚えるよう課題を与えた.計測後,被験者は紙面上に覚えている範囲での略地図を手書きで描いた.その結果,次の3点が明らかになった.1)駅と線路を表示しない場合には視線の動きが拡大する.駅と線路は略地図の中でも大きなランドマークとして機能していると考えられる.2)駅・線路ランドマークがないときは,代替ランドマークとして川と橋の位置を確認する被験者が多かった.すなわち,略地図では道路と交差点情報,建物情報以外にも,線路や川といったエッジの働きをする要素も必要と考えられる.3)被験者が提示地図周辺の地理に精通している場合でも,地図の反転は被験者の視線の動きに影響を与えない.しかし,これを確認するためには,土地鑑のない場所の略地図を提示したときの視線の動きを調べる必要がある.
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