Research Abstract |
重症心身障害児(者)35名中25,名に対して睡眠時無呼吸評価(SAS-100,フクダ電子製)を施行したところ,無呼吸数は69.84±62.3,無呼吸指数は17.3±15.4,閉塞型無呼吸(OSA)は42.2±38.5,中枢型無呼吸(CSA)は:11.1±19.3,混合性無呼吸(MSA)は16.4±20.3であった。更に,脊柱変形(Cobb angle:CA,vertebre rotation:VR),呼吸機能(一回換気量:TV,呼吸数:f,分時換気量MW)の各指標と睡眠時無呼吸指標(無呼吸数,無呼吸指数,OSA,CSA,MSA)の各指標との相関を検討したところ,有意な相関は認められなかろた,しかし,重症心身障害児(者)の睡眠時無呼吸の特性として,閉塞型無呼吸が,-中枢性無呼吸,混合性無呼吸に比して多い傾向であることが示唆された。 また,心拍間変異分析機能が付加された加速度脈派計(APGハートレーターSA-3000P,東京医研製)を用いて,安静時の自律神経機能を検討したところ,R-R間隔の標準偏差(SDNN),-高周波数(HF)成分パワー,低周波数(LF)成分パワーは健常者に比べて低い傾向を示し,心臓迷走神経の基礎活動が低下しているものと推察され,これまでの先行研究を支持児出来る結果となった。脊柱変形,呼吸指標,睡眠時無呼吸の各指標と自律神経機能め指標(SDNN,HF,LF LF/HF)との問に有意な相関は認められなかった。 今回,脊柱変形が認められない軽度脳性麻痺児(者),を対象に研究を進めたが,脊柱変形を認めない対象者は低年齢であったため比較・検討することが困難であった。そこで,健常成人12名を対象に脊柱変形と近似な体幹側屈角度変化(0度,20度,30度)に伴う呼吸機能及び呼吸困難度(Borg Scale)を測定した。その結果,背臥位における体幹側屈直後での一回換気量,肺活量,呼吸数に有意差は認められなかったが,体幹側屈5分経過後の一回換気量(p<0.01),肺活量(p<0.05),呼吸数(p<0.05).に有意差が認められた。体幹側屈角度変化における安静換気測定時でのBorg Scaleほ側屈直後では有意差は認められなかったが,体幹側屈5分経過後では有意差が認あられた(p<0.05)。以上のことから,持続的な体幹側屈は呼吸機能,精神面に好ましくない影響を与えると考えられた。
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