Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究課題の目的は,在宅高齢者を対象とした包括的環境要因調査票を開発し,高齢者の生活満足感に影響する環境要因を抽出することである.この目的を達成するため,以下の研究活動を実施したので報告する. 1.環境要因の内容的・表面的妥当性の検討 環境要因16項目の内容的・表面的妥当性を検討するために,東京都と中国地方の通所リハビリテーションを利用している高齢者14名(平均79.5歳)を対象として,Nominal Group Techniqueを実施し,各環境要因の必要性に関する対象者間の合意の有無を判断した.その結果,16項目中12項目で高い内容的妥当性が確認された.また,5項目で表面的妥当性を確保するために文言の修正が必要であった. 2.包括的環境要因調査票の計量心理学的検討および生活満足感に影響する環境要因の抽出 これまでの研究成果より,社会的,物理的,制度的,情報的,宗教的の5領域15項目から構成される包括的環境要因調査票の暫定版(以下,暫定版調査票)を作成し,東日本の健常高齢者と在宅要支援・要介護高齢者計227名(平均74.4歳)を対象に,約1か月の期間をおいて2度の調査を実施した.初回調査時にはWHO/QOL-26とVASをあわせて実施した.その結果,暫定版調査票のCronbachのα係数は.839,ICCは.608から.814(p<.01)であったことから,本調査票の信頼性は高いことが示唆される.また,暫定版調査票15項目の合計値とWHO/QOL-26の環境平均値との相関係数は.654(p<.01)とかなりの相関を示したことから,基準関連妥当性は高いものと考えられる.さらに,重回帰分析の結果から,在宅高齢者の生活満足感に影響する環境要因として,「友人・知人と関係が良い環境」「医療・福祉サービスを適切に利用できる環境」「安全な住居環境」が抽出された(R^2=.303,p<.01).
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