Project/Area Number |
17700471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical education
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山中 健太郎 東京大学, 大学院教育学研究科, 助手 (90359662)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 脳波 / 位相 / 同期・脱同期 / 知覚の統合 / 意思決定 |
Research Abstract |
ヒトは日常の様々な場面において、複雑で多様な感覚情報を瞬時に処理・統合した上で適切な判断をし、それに基づいて行動している。近年、主に脳血流の変化に基づく空間解像度の高い脳機能イメージング手法(PET・fMRIなど)により、複雑で多様な感覚情報が脳内のどこで処理されるかが詳細に調べられてきた。しかしながら、それらをどのように統合して適切な判断を下すのかという点は未だ明らかでない。この、binding問題を解くひとつの鍵として、脳活動の位相同期(synchronization)・脱同期(desynchronization)現象が注目を集めている(Vlarela et al.2001,Ward 2003)。本研究では、(1)ヒトが感覚情報を統合した結果に基づいて反応するような課題を作成し、(2)その課題を遂行中に時間解像度の高い脳活動記録手法として脳波(EEG)を記録し、(3)その位相の振る舞いを詳細に検討することを目的とした。第一に、最も単純な認知反応課題としてGo/NoGo課題を用い、EEG位相の振る舞いを詳細に検討した。その結果、後頭部のa^^'帯域(10Hz付近)のEEG振動が視覚刺激の呈示に関連してGo試行・NoGo試行ともにリセットされ、その後さらに前頭部のa^^'帯域のEEG振動がNoGo試行のみでリセットされることを見出した。前者は単純に呈示された視覚刺激を認識したことを示す脳活動、後者は呈示された視覚刺激から予定していた反応を遂行しないこと(NoGo)を意志決定したことを示す脳活動と考えられた。またその結果として、NoGo試行に特異的なa^^'帯域EEG位相の後頭-前頭領域間同期がみられることも確認できた。すなわち、EEGの位相の変容、およびその複数領域間の同期現象をみることで、脳内でなされる感覚情報の処理・統合や判断について調べることが可能であることが示唆された。その後さらに、複数の感覚情報を順番に呈示し、それに基づいて反応を選択させ遂行させることを段階的に行わせる課題を遂行中にEEGを記録した。今後、このデータを用いて、感覚情報の統合と、それに基づく意思決定についての詳細な検討を行う予定である。
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