Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Research Abstract |
移動方向の転換を行う2つの視線-全身協応方略,開脚方略(全身回旋の支持脚が回旋方向と対側になる動作)と交脚動作(同側になる動作)における視線拘束の効果を検討した.移動と同一方向へと視線を早期定位させると,開脚方略においては視線定位と全身の方向転換とが独立する一方,交脚では視線とほぼ同時に頭部が指標方向に定位された.次に転換方向から逸脱した位置に視線を拘束すると,開脚方略においては眼球-頭部のみが拘束方向へと定位し,交脚では眼球-頭部-上胴-下胴全てが拘束方向へと向く傾向があった.また交脚方略では全身移動の軌道が注視方向に偏向し,さらにプローブ信号の検出成績が低下した.見る姿勢と歩行とを両立する系として,これまでは眼球-頭部系の先導による階層制御が仮定されてきた.交脚方略の協応パターンはある意味でこれに近いといえる.一方開脚では眼球-頭部が先導定位されなくとも軌道全体を一定に保つ,より柔軟な機構が備わっていると考えた.その候補は本実験とは別途確認された体幹傾斜(上胴側屈)の自由度を動員した動作系(後記,Kijima,2007)である.移動や姿勢維持の方略は,理論上無数に存在する.その中で我々は数個のレパートリーを環境変化に応じて組み合わせている.変化する環境を確認しながら所与の方向へと移動する方略は開脚方略である.その一方,他の研究では靭帯損傷のリスクが増大するほどに,交脚の軸足膝関節にかかるトルクが大きいことが指摘されている.こういった交脚動作の不利と開脚方略の相対的有利をもとに,環境変化と連動する視覚動作(打動作や捕球動作)を捉える枠組みへと繋げたいと考えている.
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