Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
平成18年度においては,運動時の動脈エラスタンス(Ea,動脈の全負荷)の上昇は主に動脈コンプライアンス(C,動脈の柔らかさ,Eaを規定する血管因子の1つ)の低下によりもたらされること,および安静時のCは有酸素性トレーニング者で高いことを示した.さらに平成19年度において,トレーニング者におけるCの増大は,トレーニングの継続年数が長い程顕著であることを示した.運動時のCの低下によるEaの増大は心臓-動脈カップリングを維持することで心筋エネルギー効率の維持に貢献すると仮定し,運動時の心筋収縮力の上昇が顕著な有酸素性トレーニング者では運動時のEaの上昇とCの低下は非トレーニング者に比べて大きいという仮説を設定した.安静時と運動時のEaおよびCを有酸素性トレーニング者と一般成人で比較すると,トレーニング者で運動時のEaの上昇とCの低下は大きいことが示唆された.一方で,トレーニング者の総血管抵抗(Eaのもう1つの主要規定因子)は安静時においても運動時においても一般成人よりも低水準を維持していた.すなわち,トレーニング者においては,運動時のCを大きく低下させることでEaを大きく上昇させて心臓-動脈カップリングを維持し,なおかつ末梢血流量の増大に有利な条件を整えるという実に理に適った循環調節が行われていることが示唆された.トレーニング者の運動時のCの低下が大きいことには,安静時のCが大きいことが関与すると考えられる.動脈への物理的刺激はCを増大させる可能性があることから,中高年者や身体障害者において簡便にCを増大させる方法として全身振動(WBV)の効果を検討したところ,WBVによりCが急性に低下することが示された.
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