肝硬変患者に対する新しい食事療法指針の確立

• Project/Area Number: 17700528
• Research Category: Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
• Allocation Type: Single-year Grants
• Research Field: Applied health science
• Research Institution: The University of Tokushima
• Principal Investigator: 奥村 仙示 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教務員 (30322259)
• Project Period (FY): 2005 – 2006
• Project Status: Completed (Fiscal Year 2006)
• Budget Amount: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000); Fiscal Year 2006: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000); Fiscal Year 2005: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
• Keywords: 栄養学 / 肝硬変 / LES / 臨床栄養

Research Abstract

長期夜食の糖代謝及びQOLへの効果の検討
肝臓は生体の栄養代謝の中心臓器であることから、その機能不全をきたした状態である肝硬変症においては多彩な栄養代謝障害が生じている。近年、栄養代謝異常を改善するため短期間の就寝前夜食(LES)療法が有効とする報告が多数みられる。我々は、医師及び看護師の協力を得て入院から外来まで肝硬変患者の状態を長期的に評価した。エネルギーを30-35kcal/kg/dayとし、1日の総エネルギー摂取量を変えず朝食、昼食、夕食から夜食に配分し、夜食による体重増加に留意し、糖質を中心とした夜食を200kcal摂取するように繰り返し指導した。その結果、血糖コントロールが不良でありインスリン注射が必要であった患者が、インスリン注射の必要がなくなり血糖コントロールが良好になる結果が得られた。
外来通院中の肝硬変患者39名を対象とし、長期的にLESを行うことにより、治療の最終目標であるQOLが改善するのかを検討した。MOS Short Form-36 Health Survey (SF-36)を用いた健康関連QOL (HRQOL)評価では、肝硬変患者をLES非実施(NLES)群(n=24)とLES実施(LES)群(n=15)に無作為に割り付け、LES療法の長期継続効果について検討した。LES群では12ヶ月後の全体的健康感(GH)、6ヶ月後の精神的な日常役割機能(RE)及び6、12ヶ月後の心の健康(MH)のサブスケールにおいて有意なHRQOLの改善を認めた。
以上の結果より、LES療法の長期継続は糖代謝及びHRQOLを改善し有用であると考えられた。

Research Products

• [Journal Article] Effect of late evening snack with rice ball on energy metabolism in liver cirrhosis (2006)
  • Author(s): H Yamanaka-Okumura et al.
  • Journal Title: European Journal of Clinica Nutrition 60 Pages: 1067-1072
• [Journal Article] 粘性食を組み合わせた朝食長期摂取によるインスリン感受性、脂質代謝改善評価 (2006)
  • Author(s): 奥村仙示 他
  • Journal Title: 栄養評価と治療 23 (6) Pages: 40-43
• [Journal Article] 肝硬変患者における就寝前夜食療法継続指導の健康関連QOLに対する効果 (2006)
  • Author(s): 奥村仙示 他
  • Journal Title: 日本病態栄養学会誌 9 (2) Pages: 159-164
• [Journal Article] Effect of late evening snack (LES) with rice ball on energy metabolism in liver cirrhosis. (2006)
  • Author(s): H Yamanaka-Okumura
  • Journal Title: Eur J Clin Nutr (In press)
• [Journal Article] 肝硬変患者における就寝前夜食療法継続指導の健康関連QOLに対する効果 (2006)
  • Author(s): 奥村 仙示
  • Journal Title: 日本病態栄養学会誌 (印刷中)