Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Research Abstract |
遺伝子発現の網羅的解析が可能であるDNAマイクロアレイ法と、腸内フローラの解析手法であるTerminal restriction fragment length polymorphism(T-RFLP)法の2つの分子生物学的手法により、代表的な食物繊維(DF)の機能性について検討した。8週齢のC57BL/6J雄性マウスに、実験1では(1)無繊維飼料(Fiber-free, FF)を、(2)セルロースパウダー(Cellulose powder, CP),ペクチン(Pectin, PE,), CP:PE(1:1)(Mixture, MIX)をそれぞれ5%含む飼料を投与した。実験2ではDF源として(1)CP,(2)キトサン(Chitosan, CH),(3)イヌリン(Inulin, IN),(4)カードラン(Curdlan, CD)を与えた。4週間の飼育後、肝臓,大腸を摘出しDNAマイクロアレイ解析を行った。T-RFLP解析のサンプルには、盲腸内容物を用いた。DNAマイクロアレイデータの全遺伝子をクラスター解析した結果、実験1における実験群の関係は、肝臓FF-PE-Mix-CP、大腸FF-PE-CP-Mixとなった。実験2では、肝臓CP-CD-IN-CH、大腸CP-IN-CH-CDとなった。これらの結果から、摂取DF源により、肝臓と大腸との間で遺伝子の発現が異なることが判明した。肝臓において最も変動が見られた薬物代謝遺伝子群であり、非発酵性のDFにおいて発現上昇遺伝子が多く見られた。これらの結果から、DFの物理化学的性質と発酵性が、肝臓と大腸の遺伝子発現にそれぞれ異なった経路で影響していると考えられた。T-RFLP解析では、DFの種類によって細菌パターンが異なることが判明した。変動が見られた菌種は、従来、難分離,難培養であったClostridium rRNA cluster IVおよびClostridium rRNA subcluster XIVaであった。これらの菌種は分子生物学的手法によって検出が可能となったタイプであり、性質,生体への機能が未だに不明である。今後、DFの食品機能と腸内フローラの関係解明には、さらにデータを蓄積する必要がある。
|