Project/Area Number |
17700543
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General human life sciences
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Research Institution | Ritsumeikan University (2006-2007) Kyoto University of Education (2005) |
Principal Investigator |
宇都宮 博 Ritsumeikan University, 文学部, 准教授 (10320152)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2007: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 青年期 / アイデンティティ / 両親間葛藤 / 三角関係化 / 青年 / 両親間不和 / 家族システム |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)「青年期のアイデンティティ形成と両親の夫婦間不和の関連性」と、(2)「青年期のアイデンテイティ形成と原家族からの巣立ちのトランザクション・プロセス」を明らかにすることであった。今年度は、(2)の一環として、質的分析により、両親間葛藤への巻き込まれの構造を記述するとともに、両親間葛藤の規定因として、父母双方の結婚生活の継続に対する基本的姿勢ならびに両者にみられる共通性と差異性について検討した。そして、両親双方の不適応によるアイデンティティ探求への影響について分析した。質的分析のデータは、大学生20名を対象に実施した半構造化面接により得られたものである。 分析の結果、両親間葛藤への子どもの関与のあり方として、母親の側に立つ者の多さが指摘され、母親が青年期の子どもに協力のメッセージを送っている可能性があるのではないかと考察された。また、そうした期待に必死に応えようとする青年だけでなく、背負いきれないプレッシャーから、回避を選択する青年も見出された。一方、事例による検討からは、青年が父母双方の人生や自分への期待、さらには両親間の非対称的な関係のあり方を肌で敏感に感じとりながら自己の人生を見つめており、そうしたことが色濃く反映された進路選択と人生展望ゆえに、主体的なモラトリアムが展開されにくい状況にあることが考察された。 本研究で行われた質問紙調査法による計量的分析と半構造化面接法による質的分析を通して、青年を対象とするアイデンティティ研究における、両親間葛藤の視点の重要性が実証的に確認された。そのため、今後、実証的研究の早急な積み上げが期待されるとともに、そうした知見の心理教育的プログラム等への援用のあり方について、積極的に議論されるべきであると結論づけられた。
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