東南アジア無文字社会における伝統的製布技術の構造と伝承システムの解明
Project/Area Number |
17700547
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General human life sciences
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
下田 敦子 Otsuma Women's University, 人間生活科学研究所, 研究員 (60322434)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 東南アジア / 無文字社会 / 製布技術 / 伝承システム |
Research Abstract |
本研究は、タイ北部の無文字社会(スゴー・カレン社会)において、女性らが伝承してきた製布技術の構造と伝承システムを解明することを目的とした。 最終年度にあたる本年度は、これまでの現地調査によって得られたデータをもとに、計量分析を行うとともに、無文字社会における製布技術の伝承システムを考察した。 製布技術を習得する側であるスゴー・カレン若年女子(12〜18歳)106人が148項目の製布技術を習得しているか否かに関するデータを数量化し、因子分析、項目反応理論(IRT)の統計的手法により、分析をした。その結果、43項目について絶対的な難易度を示す「困難度」を算出した。困難度を数値が低いものから高いものへと順番に並べ替えてグラフ化してみたところ説明力の高い学習曲線に類似した対数関数曲線が得られた。これにより従来曖昧であった習得時期にあたる10才代女子が行う製布技術の習得プロセスは、習得が易しい技術から難しい技術へ学習していく順次性をもっており、本研究によって潜在的で整然とした学習のシステムが存在していることを実証することができた。 このことについては、すでに、発育発達研究(2008) ;無文字社会(Sgaw Karen Community)における衣類製作身体技術習得プロセスの探索一項目反応理論(2母数モデル)による推定-.下田敦子,大澤清二,大久保智哉. Vol. 5(増刊号) p. 1-8.に公表したとともに、日本発育発達学会において平成18年度最優秀研究賞を受賞した。
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Report
(3 results)
Research Products
(5 results)